10月の美容矯正メッセージ

2022顔と体の美容矯正コンメンタール(kommentar

Yoko-Kさん(東京都港区美容矯正セラピスト)

小顔になるためには顔だけではなく身体の仕組みが重要と言われていますが

具体的にはどの様に関係していますか。

少し詳しく教えてください。

質問の回答です。

 

顔の形は皮膚や感情と内臓

の状態が常に関係します。

しかしながら

それ以外にも、身体の筋骨格系の

問題も深く影響を与えます。

特に、座位でのパソコンやスマホ等の操作時の姿勢は、顔のたるみや浮腫みを作り出す原因の一つです。

また小顔効果には脊柱の彎曲が深く関係します。

今回はこの点について

少し詳しくお話しします。

人の姿勢は一人ひとりで異なります。

一般的に解剖学的に正しい姿勢をしたとしても、それを持続することは難しくその姿勢は一時的なものです。

頭や顔にとって最も理想的な位置を決める姿勢は

静止立位姿勢の時に形成される脊柱での頸椎の前彎、胸椎の後彎、腰椎の前彎、仙尾骨の後彎の各領域の凹面側での彎曲の角度です。

一般的によく知られている理想的な脊柱凹面の角度は

頸椎(C1〜C7)の前彎は30°〜35°、胸椎(T1〜T12)の後彎は40°、腰椎(L1〜L5)の前彎は45°です。

この彎曲の組み合わせとバランスが頭部全体と顎関節の位置や顔面筋膜のまでの張力を理想的なものにします。

小顔効果を最大に発揮する

理想的な身体を通る重心のラインは側頭骨の乳様突起付近から

第2仙骨の前方を通り股関節のすぐ後方から膝関節と足関節(距腿関節)の前方(橫足根関節)を通過するラインです。

この重力のエネルギーは足裏からの反作用(床反力)でこのラインを上って顔面まで伝達します。

一般的に解剖学的には小顔効果が最適な状態になるのはこのライン上の姿勢です。 

しかしながら、

実際には

多くの女性は

この脊柱間の彎曲と骨盤の腸骨稜での傾斜の間にばらつきが多く、この様な理想的な姿勢の人は少ないようです。

因みに、

顔のたるみや歪みに最も影響が大きいと考えられるのは頭頸部の前方突出です。

椅子等での長時間にわたる座位でのパソコンやスマホの操作時に起こる姿勢では頭は静止位から3センチ〜最大6センチ程度前方に移動します。 

長時間に渡るこの座位姿勢は

結果的に頭部〜足部までの重力ラインが変化してしまい顔面の過度な突出になってしまいます。

極端な言い方をすると

この姿勢では

頭部や顔面は、通常の脊柱からの適切な結合組織(筋膜や靭帯)の支持力を失ってしまいます。

これでは

顔はまるで竿にぶら下がる提灯のようになってしまいます。

この顔の位置では

顎先から下にはそれを支える支持面がないため

顔面の柔らかい組織はそのまま床面に向かって垂れ下がることになります。

これがいわゆる姿勢性の顔のたるみです。

さらに、 

この頭部と顔の前方への突出の姿勢は、その下の脊柱にある上部頸部を過伸展するため後頭部と上頸部の付け根の組織が圧縮され緊張してしまいます。 

これにより

しばしば頭痛や顎関節痛が起こることになります。

また、その下の中部から下部頸部はの前彎が減少(屈曲)して平坦になってしまいます。  

これにより、しばしば頸部痛が起こることになります。

そして状態は上胸椎部までの部分に影響することになります。

これにより、しばしば息苦しさを伴う浅い呼吸(呼吸制限)の状態に

落ちいてしまいます。

さらに

腰椎の前彎が減少(平坦又は後彎)し連動して骨盤の後方傾斜が起こります。

これにより、腰部や骨盤部の疲労により腰仙部痛が起こることになります。

それに伴い股関節伸筋群(ハムストリングス等)と腹筋の緊張が長時間継続的に起こることになります。

この場合

体重は脊柱や骨盤を通らず胸部から腹部の前面を通ることになります。 

それにより、股関節から大腿部全体までの部分の筋疲労が蓄積することになります。

さらに、この頭頸部の前方突出した姿勢は肩甲挙筋と頭半棘筋に大きなストレスを与え、深層にある後頭下筋群の一つの大後頭直筋の過緊張の原因となります。 

また、通常、浅層にある

胸鎖乳突筋の頭側端は胸鎖関節の後方にありますが

前方突出が起こると頭部は胸鎖乳突筋の直上に移動してしまいます。

これでは頸部の椎体の前面にある頸長筋や頭長筋等の頭頸部を屈曲する筋肉が筋力低下を起こしてしまいます。

この状態が続くと舌骨の位置が変化し最終的に顎関節の位置の変化につながってしまいます。

少し詳しく話すとこの姿勢は

気管や甲状腺のある頸部の前面では胸骨舌骨筋や肩甲舌骨筋等の舌骨下筋群を伸長し舌骨を後方下方へ引っ張り出してしまいます。

この牽引力はその上にある顎二腹の前腹のような舌骨上筋群を介して下顎骨にその力が伝わることになります。

その結果、

一般的には下顎骨は後方下方へ移動することになります。

そして顎関節部分の関節窩や関節円板に対する下顎頭の位置は僅かにズレて変化してしまいます。

これにより、口の開閉時の下顎骨の顎関節腔内での回転運動は不安定な状態で動くことになります。

さらに小顔効果との関連で重要な点は

下顎骨は舌骨や肩甲舌骨筋を介して肩甲骨とつながっているということです。

そのため

肩甲胸郭関節の動きや鎖骨と肩甲上腕関節の移動は下顎骨を引っ張りその位置を変化させてしまい顔の筋膜に影響を与えます。

特に肩甲骨が傾いて浮いた異常な状態での肩甲胸郭関節の位置や動きは下顎の姿勢に影響し顎関節のストレスを増加させてしまいます。

これが、顔の歪みとたるみに影響すると考えられる骨格系のメカニズムの中の一つです。

もちろん、

これには長時間にわたる座位姿勢での疲労により起こる腰部の後彎(屈曲)と骨盤の後傾による結合組織の連続的なラインの張力も含まれることになります。

以上のことから

顔の筋膜は全身の構造体の筋膜張力が集まる場所であるということがわかります。

特に、

上肢帯の重力や機能は

そのつど直接的に顔面筋膜の張力に影響を与えます。

因みに

解剖学的に左右対称的な肩では

鎖骨は胸郭の前額面に対して20°後方に傾いています。

肩甲骨は胸郭の面に沿うために

静止位での前額面から約30°~40°前方(肩甲面)に傾いています。

その分だけ肩甲骨の関節窩も前方に移動しますが、上腕骨の関節頭も骨体(肘関節の内外軸)に対して30°ほど後捻しているためちょうど上手く関節窩に密着します。

この時肩甲骨と鎖骨の間にできる角度(立体角)は約60°です。

解剖学的静止位のように肩の長さや高さが左右対称である場合

この静止位での肩甲帯の角度が

顔の形の張力の土台になります。

もし肩幅(前後幅、左右幅)や高さに左右差がある場合

その分だけ顔面筋膜への張力は非対称になってしまいます。

これ以外にも顔の変化に影響する体のメカニズムはたくさんありますが

その中でもこのメカニズムが最も影響を及ぼしていると考えられています。

 

 

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