3月の美容矯正メッセージ

2022顔と体の美容矯正コンメンタール(Kommentar)

質問者:maki-Kさん(東京都新宿区在住:鍼灸師、美容矯正セラピスト)

料理やスマホをずーと見たりしていると下を向いていることが多いのですが長時間になると肘や手首が痛くなります。

顔にも影響が出てたるみますか?

どのように影響するのか
すこし詳しく教えていただきたいです。

 

 

質問の回答です。

顔の歪みやたるみには身体の多くの場所や機能が関係していますので

かならずしも原因部位の特定はできません。

しかしながら

筋膜は筋膜網として全身に連続してつながって機能していますので

たとえ微小な緊張や張力変化であっても

それが長期的に持続すると必ず遠くの部位の構造の弾力性に変化をもたらします。

肩からぶら下がる上肢の可動性のある関節は手根骨間を除いて10ヶ所あります。

したがって、その関節の中の1ヶ所の僅かな位置のズレやその周りの筋肉の動きの制限であっても

最終的に顔の筋膜の張力に影響を与えてしまうことになります。

その中の1部である肘関節の歪みや腫れも顔の歪みの原因となる部分です。

 

そのことについて

少し具体的にお話しします。

例えば、食事等をする時は肘を伸ばし前腕を回内させて(腕を内側に回して)食べ物をつかみます。

そして、肘を曲げて前腕を回外して(腕を外側に回す)手首を曲げて(掌屈)掴んだ食べ物を口元まで運びます。

次に、口の中に入った食べ物を口を閉じた状態で上・下の顎を動かし

咀嚼筋を使って食べ物を噛んだり飲み込んだりします。

普段あまり考えることはありませんが

食事をしている時は指先から手首、肘、肩の関節の動きを口元の表情筋や上の歯・下の歯と下顎関節を筋膜的に接続して使用しています。

この連続した上肢の動きがどこかで制限(上肢の10ヶ所の関節部分のどこか)されてしまうと指先や手からの張力のバランスが崩れてしまい最終的に顔の歪みやたるみに関係することになります。

その中で肘から下の部位で顔と最も関係が深いのは

手と手首の関節部分とその動きです。

例えば、
手首を曲げる手関節の6個の掌屈筋(運動域60
°~80°)の使いすぎによる筋肉の短縮は手首を反らす手関節や指の関節の背屈運動の制限になります。

この使いすぎによる掌屈筋の持続的な過負荷は最終的に肘関節部分の内側に発生する内側上顆炎(ゴルフ肘等)の原因となります。

この部分の緊張は大胸筋鎖骨部を経由して広頚筋を牽引することになり

口角を下方向と外側に引き下げてしまいます。結果的に頬のたるみと深い法令線ができる原因となります。

また、この筋が弱って筋力低下が起こると重い物を持ち上げる際、前腕を回外させて(腕を外側に回す)手の関節を安定させることができなくなります。

さらに手関節が背側に反れて曲がり、長期的には指の屈筋や手関節屈筋の起始部にある腱に過負荷による障害が起こり痛みが発生してしまいます。

その反対の動きである手首を反らす時に働く手関節部分の6個の背屈筋(運動域40°~60°)の短縮が起こると

手関節や指の掌屈(手首を曲げる)運動が制限されてしまいます。

この背屈筋(手首を反らす)への持続的な負荷は肘関節部分の外側への緊張が高まり最終的に上顆炎(テニス肘等)の原因となります。

この部分の過緊張は肩から背中を経由して同じ側へ頭が傾斜するため最終的に頬周りが垂れ下がる原因の一つとなります。

また、この筋肉群のどれかに筋力低下が起こると

重い物を持ち上げるときに前腕を回内させて(腕を内側に回して)手関節を安定させることができません。

そして長期的にこの状態が続くと手関節が掌側に曲がり指の伸筋や手関節伸筋の起始腱に過負荷による障害が起こり痛みが発生することになります。

また、手関節部分の橈屈筋(6個の手首を親指の方向に曲げる筋肉で運動域20°)が短縮すると背屈筋と掌屈筋の両方の筋力と連動してしまいます。

最終的に同じ側への頭の傾斜と全体的な顔の歪みとたるみの原因になります。

尺屈が(手首を小指側に曲げる)制限されて背屈筋と掌屈筋の筋力低下と常に関係します

反対に手関節部分の3個の手首を小指の方向に曲げる尺屈筋(運動域30°~40°)が短縮すると橈屈(手首を親指側に曲げる)が制限されてしまいます。

しかし、この部位の筋肉が筋力低下してもあまり張力に変化は見られませんが

顔に関しては、たとえ僅かであっても影響を与える一因として考えられます

次に肘関節部分に焦点を絞ってお話しします。

肘関節(腕尺関節・腕橈関節・上橈尺関節の3ヶ所)の筋肉の短縮は肩関節の位置や動きに大きく影響します。

特に、顔の筋膜に深く関わっている前腕の7個の屈筋群(運動域130°~150°)の一つである上腕二頭筋(起始:長頭は肩甲骨の関節上結節、短頭は肩甲骨の烏口突起、停止:橈骨粗面と上腕二頭筋腱膜)

肘の屈筋(肘を曲げる)であると同時に前腕の回外筋(腕を外側に回す)であり肩関節に対しての外転と内旋(長頭)の作用をする筋力でもあるので食事の摂食運動には適した筋肉の一つです。

しかし、この筋肉が使いすぎにより

短縮すると前腕が回外位(腕が外側に回った状態)に固定されてしまいます。

その結果、あらゆる回内(腕を内側に回す)の動きが制限されてしまいます。

この状態は連続的に深部の小胸筋と舌骨周囲の緊張をもたらしアゴ先の同側への移動する原因になり最終的に頬筋の突出してしまいます。上瞼の腫れの原因になります。

反対に上腕二頭筋の筋力低下は、回内位(腕が内側に回った状態)が優位になります。

したがって

例えば、食事の際の動作(スプーンを口に運ぶ動作等)がかなり難しくなります。

次に肘を伸ばす時に働く肘関節の2の伸筋群の短縮は(最も多いのは上腕三頭筋で長頭は肩甲骨の関節下結節に付着しているため肩の位置や動きの制限の問題に関係する)日常生活における通常の運動が著しく制限してしまいます。

この筋肉部分の筋力低下は、何かを投げる動作が不可能となったり
この部分の障害をもつ人は肘の伸展力が不足していて両手で体重を支えることができないため杖等を使うことができません。

前腕の回外と回内の運動には回転軸が上・下の橈尺関節の中心部分にそのラインがあるため
肘の部分の上橈尺関節の他に手首の部分の下橈尺関節も関与しています。

前腕の7個の回外筋群(運動域90°)が短縮している(特に上腕二頭筋)と、前腕の回内が制限されるため、代わりに代償作用として肩関節が内旋と外転の動きをしてしまいます

反対にこの回外筋群が筋力低下をしてしまうと多くの日常の動作に障害が発生することになります。

例えば、ドアの解錠動作、水道蛇口のコックを閉める動作、あるいはネジを締める動作が難しくなります。

また前腕の4個の回内筋群(運動域90°)のどれかの短縮は、前腕の回外が制限されるため
代償作用として肩関節が外旋と内転をすることになるため長期的には肩の部分の問題が発生することにもなります。

反対にこの回内筋群の筋力低下が起こると、例えばドアの施錠、水道蛇口のコックを開ける動作や鍋の中の物を空にしてカップ等に移す時の動き等が困難になります。

また

肘関節の筋肉は頸椎部分の神経回路を経由して多くの内臓の反射が現れることに関係しています。

肘関節部分の筋肉の腫れや痛みがある時は
これらに関係する内臓も機能低下をすることになります。

例えば、

少し専門的な話になりますが

先ほどの肘の前部に付着している屈曲筋の左側の上腕二頭筋は(T5レベルの硬膜の短縮緊張はC5右部分を中心とする筋の牽引を起こしその分節中心における筋皮神経の求心性・遠心性繊維の統合性に影響を及ぼす)
十二指腸・空腸・回腸の働きに影響しています。
この筋肉の緊張は深部の筋膜ルートを経由して顎先を片方へ牽引することになります。

右側に付着している上腕二頭筋は胃の大彎・小彎です。

また右側の肘の後部に付着している伸展筋の上腕三頭筋は(L3部分の左右硬膜の短縮緊張はC7右への筋牽引を引き起こしその結果右橈骨神経の分節中心において遠心性・求心性繊維の完全性が影響を受けて、右上腕三頭筋腱反射が弱くなる)
卵巣と卵管・尿道・右副腎髄質が関係しています。

反対側の左側上腕三頭筋は左副腎皮質と髄質に関係しています。

そして、左側の肘の外側部位に付着している腕橈骨筋(8部分の硬膜の短縮緊張はC6左への筋牽引を引き起こし左橈骨神経の統合性不全を引き起こす)肝臓組織と門脈組織に影響します。

反対側の右肘外側部に付着している腕橈骨筋は結腸・直腸です。

いずれの側も、内臓から胸椎・下部頸椎部分(L4部分の左右の硬膜の短縮緊張は頸椎のC6右への筋牽引を引き起こしそこを経由して橈骨神経に影響を与え最終的に腕橈骨筋の伸張反射(前腕の屈曲)に影響を与えます。

また腕橈骨筋の異常緊張から内臓へ向かって反対のことも起こることになります。

顔との関係では
腕橈骨筋の短縮緊張は三角筋前部繊維を緊張させるため広頸筋の後部繊維を牽引するため
口角が下がる原因となります。

また、肩が下がる原因の一つとして考えられる

肘関節全体(上・下・左・右の4ヶ所の緊張)では
左側の肘の緊張は呼吸器官が関係しています。

具体的には

上部は外側手根側副靭帯・外側は手根屈筋・腕橈骨筋・内側は円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・下部は長短橈側手根伸筋です。

またこれらの臓器の機能低下は顔全体の色素の変化と肌質の劣化を引き起こすことになります。

 

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