2017美容矯正の真理
Haru-Kさん 東京都在住(エステティシャン・美容矯正セラピスト)
勝山先生に質問なんですが、
来週トリートメントを行う方なのですが、左大腿部鼠径リンパを摘出されているので、下肢が象さんみたいになっているようで、このような方の場合どうアプローチしたら良いでしょうか?これまで習ったオイルトリートメントでどう施術をしてみたらいいでしようか?
質問の回答です。
鼠径部のリンパを摘出されている方の場合には、大腿部分のリンパ液を排泄するのはなかなか通常のリンパテクニックやNMTオイルセラピーのみでは難しいと思います。
このような方のように、浅鼠径リンパ節が無い場合には理論的には他のルートを迂回して循環することができるとされていますが、実際には下腿の太さを細くすることは一時的にすることはできますが、持続することは難しいようです。
下肢のリンパは鼠径部または腋窩部で数個のリンパ節につながりますが,理論的にはリンパ節を切るとリンパの流れがうっ滞し,リンパ管自体が太くなり周囲に迂回するためのバイパスができて流れることになります。
このことを、車が走る道に例えると、一般道(下肢の中のリンパ管)を走ってきた車が,高速道インターの入り囗(鼠径リンパ節)から高速道内に(体腔内の乳ビ槽や胸管など深部リンパ管)入って心臓に向かうとします。もしこの時に高速道の入り囗で事故が起きると,車は後ろからどんどんきて渋滞してしまいます。そして、そこでじっと待っていないで、横の細い道を辿って何とか進もうとしますが、それでもやはりあまり進めずにそこに溜まってします。
この例と同じように
NMTオイルセラピーだけで良くしようと思っても難しいことになります。このような場合には、それと共に下肢や腹部の周辺組織に圧をかけることが必要であると考えられます。
一般的によく知られているものではマッサージ器具(間欠的空気圧迫装置)による圧迫法がありますが,これは使用法を間違えて過剰に使うと下肢では鼠径部にむくみを溜めてしまう原因になり悪化することがあります。このようなマシンはあくまでも「むくみを絞り上げるの」ではなく,リンパ管の「動きを活発化」させる意味で使用することが望ましく、事前に溜まりやすい部位をリンパ又はNMTオイルセラピー手技で排液して液を抜いてから使うと有効だと思われます。 クライアントさんが足を背屈・底屈させて下肢を動かすと、全体のリンパ管が動くために運動療法も効果的ですが特に圧迫と併用での運動がより効果的です。
しかしながら、多くの場合、ガン等の転移のルートでもあるため、他の医学的なケアーとの併用が必要であると場合が多いと考えられます。
いずれにしても、下肢の場合,まず鼠径部がむくみそして周囲にも広がります。
むくみは、大腿の内側・下腹部・外側でもむくんできます。 次いで,むくみは下に移動しててきて,膝の裏でいったん止まり、大腿の内側の膝上で膨らみます。そしてさらに下に降りてきて,最終的には下腿のふくらはぎや足部もむくむことになります。
さきほども言いましましたが、NMTオイルセラピーのみでは、一時期な効果ですが、下肢の筋膜ルートに沿ってトリートメントすることは劇的な効果を生むこともあります。
前面からのNMTオイルセラピーケアーでは少し高度な手技になりますが縫工筋と鼠径靭帯と長内転筋・恥骨筋・腸腰筋などで形成される「大腿三角筋膜ボックスの内転筋管の解放」が有効になります。
ここにはリンパ管だけではなく大腿動静脈・大腿神経が通っており膝窩から鼠径靭帯の下までを解放することが可能になります。
具体的には少し専門的な技術になりますが
内転筋管解放のための大腿三角筋膜ドーム整復テクニックが有効です。
NMTオイルセラピールートに関連しているラインでは
- 縫工筋筋膜部位のストレッチ
- 鼠径靭帯のマニプレーション
- 腸骨筋-恥骨筋筋膜結合部のストレッチ
- 大内転筋―長内転筋筋膜筋間中隔ストレッチ
- 内転筋腱裂孔解放テクニック
- 大腿三角―内転筋管捻りテクニック
- 大腿三角リンパテクニック 深鼠径―膝窩リンパ流促進テクニック
- 浅鼠径リンパ流促進テクニック(鼠径リンパ節は摘出して無いため不可能です)
- 等、以上の手順で行います。
背面からでは大内転筋とハムストリングの間にある筋膜の筋間中隔をNMTオイルセラピーで開放しその上で足の背屈と底屈の動きをさせると効果があります。
いずれにしても、最終的には内臓を通過して左の胸管リンパまでの循環が大切なことになるため、腹部のNMTオイルセラピーも下肢のリンパの排液には必要な行程の一つになります。
良い結果が出ることを期待しております。