2020素肌美人への美容矯正改革
Michiyo-Tさん、東京都武蔵野市在住(美容矯正セラピスト)
勝山先生に質問があります。
先日、お客様から連絡があり
新型コロナの影響での自粛生活の解消後の
今も在宅テレワークをそのまましているのですが「人と話すことが少なくなって、顔が下に下がってたるみ、一気に老けこみ そうで
焦っています」と報告がありました。
また、さらに「人と話すほうがよいのでしょうか?」というお問い合わせがありました。
今までも、お客様に色々なエクササイズを提供してきていますが、顔のたるみに効果のある簡単な対策があれば教えてください。
質問の回答です。
表情筋を動かすという意味では、
できるだけ人と話したほうがよいと思われます。
ただし、それだけでは、顔のリフトは持続できず一時的な効果に過ぎません。
このメッセージコーナーでも度々取り上げていますが
顔のたるみに効果のあるエクササイズは、沢山あります。
しかし、ほとんどの場合、それは一時的なものです。
その理由は、顔がたるむ原因が単に皮膚の問題だけではなく、骨格の歪みや体内の深部の内臓の機能低下、さらに精神的な心理的問題まで多岐に渡っているからです。
具体的な例をあげると
1、オンラインでのパソコン作業の座位姿勢での頭部前方移動とストレートネック。
2、立位姿勢での骨盤変位と体幹の前方移動を伴う頭部前方移動と上頸部の過伸展。
3、過食による食べ物の重量の増加。
それによる下腹部の膨大と内臓筋膜網全体の下垂による頭部の前方下方への移動。
さらに、それに伴う代償作用としての肩の挙上と頭・頸部分の緊張。
4、今、最も注目されて問題になっている新型コロナに関するマスコミの断片的な番組報道や行政機関からの形式的な情報報告。
不安感を煽るSNSによる風評投稿等。
これらによって持続的に起こる不安感や恐怖感の高まり。
結果的に生じた不安を現す表情筋パターンの持続。
それとセットで常にそれに付随する頭・頸部分の過緊張等。
これらのメカニズムは、古くからすでに、海外の徒手整骨医学界では、解明されていることです。
特に、コロナ情報による精神的ストレスによる情緒や感情の変化は、副腎のホルモンの働きのバランスを崩し、神経反射的に骨盤から下肢の筋力を低下させてしまいます。
それは、多くの下肢の筋肉は、解剖学的に神経支配の回路の関連で副腎と密接な関係があるからです。
その結果、弱くなり不安定な下半身の替わりに姿勢のバランスを保持するために代償作用として上半身が緊張して硬くなります。
首や顎関節、頭もそれに連動して硬くなります。
繰り返しになりますが、
長期的なマイナス思考のストレスが副腎を刺激してその機能が低下すると、下半身の姿勢保持筋が弱くなり代償的に上半身の緊張が起こり首と頭部が前方に移動して顔がたるむことになります。
以上のように多くの人は1~4までの
それぞれの原因が複合し混ざりあって顔のたるみを形成しています。
特に、最近は不安などの心理的影響からの顔のたるみが大きな要因になっていると考えられます。
これが、原因の場合は、いくら一時的な顔のリフトケアーを試みたとしても、この問題が根本的に解消されるまで顔のたるみの問題は持続してゆくことになります。
美容矯正では顔を身体全身の構造や脳の心理情報を受け止める終着駅と考えています。
身体は全ての部分が繋がっており、
1ヵ所の動きや固まりは全ての部分に変化をもたらします。
顔は、身体の上の先端であり、反対側の下の先端は足です。
具体的には下顎のわずかなズレであっても、足の関節の動きに影響を与えます。
逆に、足のわずかなズレがあっても顎先の位置を変化させます。
美容矯正では、
脊柱の歪みの多くは、姿勢を保持する脊柱そのものではなく,遠く離れたところにある下肢の関節の歪みや上肢の関節の歪みにより影響を受けたものと考えています。
その手足の歪みの張力の影響を受けた背部の筋肉も緊張するため、椎骨が移動して脊柱の位置が変位します。
その変位に対して、体幹のバランスを取るために他の部分の筋肉が緊張して脊柱が変位しその結果背骨全体が弯曲し歪んでいることが多いようです。
結果的に頭部の位置が変位して顔の歪みにつながってしまいます。
頭蓋骨美容矯正のセラピストは、
顔のみの部分的な技術の繰り返しで一時的に効果を出すことばかりにこだわるのではなく、この全身の関連性のことを深く認識し理解する必要があります。
その一例として、顔と腋窩の関係があります。
比較的柔らかく弾力性のある脇の下(腋窩)と顔の関連を不思議に思われるかもしれませんが
実は、腋窩の過度な緊張が顔のたるみを作っています。
今回はこの腋窩の過度な緊張と顔のたるみの関連性に焦点を絞ってお話しします。
新型コロナによる、先行きの見えない状況からくる、絶え間のない不安や、恐怖、ある種の息詰まった感覚、等の心理的な要因は、常に上半身の肩の引き上げと腋窩の引き締めを引き起こします。
元々、不安、恐怖、怒り、敵からの防御、羞恥心等は腋窩の緊膜ボックスを過緊張にさせます。
さらに、この部分の過緊張は上部の肋骨を圧迫してスムーズな呼吸の制限を引き起こし息苦しさの原因になります。
そして、腋窩が過度に緊張していると鎖骨と肩甲骨の間に緊張した窪みを作ります。
実は、この硬い窪みがそれと関連して喉仏(喉頭隆起)の下に緊張した固まりを作ります。
多くのうつ病や不眠症の人はこれを経験しているはずです。
この喉の下の部分の緊張はさらにその上にある下顎の筋膜を引き下げてしまいます。
そして、最終的に顔面の筋膜を引き下げてしまいます。
喉から鎖骨や胸骨の筋膜の緊張が、
結果的に丸まった背中、肩の挙上と頭部の前方下方への移動を同時に起こしてしまいます。
これが、不安や恐怖等の心理と骨格が連動する顔のたるみのメカニズムです。
元々、腋窩の筋膜ボックスは、
上腕骨を介して胸郭の大胸筋とその後ろにある肩甲骨と背中や骨盤に付着する広背筋の間で形成するボックスです。
そして、腋窩は、上肢や肩の動きと身体の前面と後面との間でバランスを保つ弾力性のある筋膜構造体です。
普段、あまり考えもしない、柔らかいこの部分の解放が顔のたるみ解消の一つのヒントになります。
顔のたるみ解消のための簡単な腋窩エクササイズを紹介します。
1、大胸筋を片方の手で掴み腕を挙上します。
(5回~10回)
2、次に腋窩から肩甲骨の前面に向かって手のひらを押し込みます。
その状態を保持して腕を挙上します。(5回~10回)
3、鎖骨と肩甲骨の間にある一番深いところの硬い窪みを探して、そこを圧迫しながら腕を挙上します。(5回~10回)
4、胸骨柄に跨ぐように人差し指と中指をおきます。
胸骨柄の指を強く固定して頭と首を後ろに反らします。(5回~10回)
これで、顔はリフトアップします。
ただし、その効果は一時的なものです。
根本的にはコロナからの心理的な影響が解消されることが必要です。
そして、これらのエクササイズを同時進行で行うことで顔のたるみも改善されると思われます。