2018美容矯正の構造力学的視点
質問者:Mituko-Sさん、(東京都杉並区)34歳、薬剤師
勝山先生に質問です。
小顔にするケアーにとても関心があり、やり方を色々調べているのですが、
保湿することや、マッサージやストレッチ
、シャンプーブラシでの頭皮ほぐしも、たるみにいいらしく、どれが有効なのか色々迷ってしまっています。
何が一番有効ですか?
教えてください。
質問の回答です。
保湿、マッサージやストレッチ、シャンプーブラシでの頭皮ほぐし
これらはどれもたるみには効果があります。
ただし、何が一番効果があるかについては、たるみの原因には個人差があるためこの中でこれが一番ということは言えません。
また、いずれのケアーも一時的な効果でしかなく、長期的な持続効果は望めません。
たるみの原因が年齢による皮膚の老化によるものなのか、内臓の不調によるものなのか、筋・筋膜の張力の低下によるものなのか、感情や精神的ストレスによる等、原因が様々に考えられるため全ての人にこれが一番効果があるケアーというのは特定できません。
このことから言えることは、たるみは、あくまで顔に現れた結果であってほとんどの場合、原因は他のことから起こっているということです。
もし、たるみの原因が皮膚老化にあるのであれば肌質も含め美容皮膚科の専門医の分野で、内臓の不調にあるのであれば食事指導も含め内科の専門医の分野、歯並びや顎関節の異常であれば専門の口腔外科医や歯科医師の分野で、精神的なストレスに原因があれば心理カウンセリングも含め心療内科や脳神経外科の専門医の分野の指導が必要になると思います。
先ほど、いずれのケアーも一時的な効果でしかなく、長期的な持続効果は望めませんと言いましたが、その理由はケアーの部位が頭と顔に限定的であるためです。
近年は、顔面への刺激を集中的に行うケアーが沢山ありますが、いかなる技術であってもその効果は一時的で短期的であることを強調しておきます。
顔に影響する身体の構造力学的視点から言うと
そもそも、柔らかく弾力性のある組織が弾力を失うのは、それを形成している枠組み構造の長期的な変化によるものが一般的です。
例えば、家に例えると何かの理由でベランダや窓の網戸のアルミ製サッシの外枠フレームのネジが緩んでしまうと外枠自体が変形してしまいます。
そうなると、その中に張り巡らされたネット状の網はところどころで、よじれてたるんだり破れたり穴が空いたりします。
それと全く同じではありませんが顔の張りにおいてもそれに近い状態が起こります。
そして、その中にある脂肪組織・血管・神経・リンパなどの位置が本来の場所から移動するためその循環機能がうまく働かなくなります。
この視点から少し具体的に言うと
家のベランダや窓の網戸のアルミ製の外枠フレームの一部にあたる部分がアゴの骨です。
したがって、顎の骨(下顎骨)の位置と動き(顎関節)が直接関係します。
その下方の身体の部分では、肩の高さの違いや腕の向きと位置の違いや胸郭の傾きの変化がたるみに関係します。
これは全てではありませんが、O脚の人はひどい側は特にアゴ周りから首が短く太くなり、X脚の人はひどい側は特に目元から頬周りが太くなります。
その理由は、足先と足首の関節や膝関節や股関節の位置の変化が骨盤から上の関節や骨の位置の変化をもたらし最終的に首の位置の変化と顔の位置の変化をもたらすからです。
私たちの顔の変化の影響はじっとしている時ではなく動いている時の方が重要です。
特に足首と股関節の動きのバランスは大変重要です。
この関節の機能は歩行時の上肢の対称的な動きの幅を決定し首と顔の位置のバランスを決定します。
さらに、昼・夜を問わずいつも暴飲暴食をしている人はその食べ物と飲み物の量による重みが内臓を包んでいる喉の筋膜を通じて頸部の前側を引き下げて圧迫してしまうため頸部の過剰な湾曲と短縮を作ってしまいます。
したがって、O脚と暴飲暴食のある人はさらに首から下アゴ周辺が太くなります。
この視点からの一つの新しいたるみの改善エクササイズを紹介いたします。
1、まず、立った状態でアゴを引いて右の頬と下アゴを左手の手掌で固定します。
この状態を保持しておきながら
2、次に右手をまっすぐ振り子運動のように前と後ろに動かします。(10回~20回)
3、次に腕を内側に回し脇を閉めるような状態で振り子運動をします。(10回~20回)
4、次に腕を外側に回し脇を少し開くような状態で振り子運動をします。(10回~20回)
5、次に左足を前に出して膝を曲げて歩行時の時のように動かします。(10回~20回)
6、O脚の人は足を伸ばしたまま中心から後ろにそらすように動かします。(10回~20回)
7、X脚の人は膝を伸ばしたまま中心から前に伸ばすように動かします。(10回~20回)
8、反対側の左の頬と下あごを右手の手掌で固定して、2~7までを同じように反対側の腕と足にも行います。
この視点からの考え方も含めて、総合的に考えると「緩やかで軽い適度な繰り返しの身体全体の運動と決められた時間以外の食事の制限による内臓の重みの減量と快適な感情の維持」をベースとした上で、他の専門医の指導を受けながら、上記の一般的なセルフケアーや今回提案したエクササイズを行うことが良いと思われます。