9月の美容矯正メッセージ

2015美人の証明(秘話)

質問者1          yu-Kさん、東京都(2014受講生・柔道整復師)

 勝山先生

 お世話になっております。

 本日も質問させてください。

 解剖学的な質問なのですが、脳神経が顔面神経と視神経で異なるのでどうかなと疑問に思いました。   

宜しくお願い致します。

視神経は後頭骨の視覚中枢へいくとのことですが、眼精疲労により視覚中枢がストレスを感じた場合、後頭筋や後頭下筋群との連動、つまりは眼精疲労などによりおでこにシワが出来たり後頭骨外旋、頸椎伸展位になる要因と考えることは可能でしょうか?

 

質問の回答です。

 少し専門的な話になりますが

 眼球運動と顔面神経は深い関係があります。

 例えば、瞼を閉じると眼球が上方へ回転します。

 このことを一般的にベル現象といいます。

 また、発生学的に眼球は主に外胚葉で構成されており、同じ外胚葉の表皮の肌質や神経のストレスとも関係しています。

 さらに少し難しい話ですが、脳幹では脳幹反射の関係(瞳孔反射・前庭動眼反射・角膜反射)で顔面神経は三叉神経・動眼神経とも深く関係しています。

 また、よく知られていることですが、視交叉により左・右の目で見ている物体は見えている方とは逆(反対側)の後頭葉に投射され、そして視覚中枢で視覚情報と記憶が統合されることによって実際に見た物が実像として認識されます。

 発生学的には、眼球と後頭骨と上部頸椎(C1・C2)の深いところにある後頭下筋群は椎骨が発生した時から関連性がすでに存在しており眼球運動によって後頭下筋群の緊張が変化します。

試してみてください。

例えば、両手の親指以外の四指を後頭骨と首の付け根に軽く置き、瞼を閉じて眼球を上・下・左・右方向に動かすと、四指の指先に後頭下筋群の動くのが感じられます。

このことでもハッキリと関連性が確認できます。

 また競技などで空中に飛ぶスポーツ選手の動きを例にとると、スキージャンプ競技やフィギヤスケート、体操などの空中での演技中では、必ず着地前にまず最初に空中で目と内耳を使って頭を水平にしています。

これにより後頭下筋群に一定の緊張力がかかります。

 そしては無数の伸張受容器を拾い読みし、反射的に残りの深部の半棘筋を使って頸部から脊柱全体を整えるように指令を出します。

 ちなみに、後頭下筋の筋紡錘細胞は1グラム当たり30個もあり、臀部の1グラム当たり7個とは比較ならないほど多いとされています。

 この構造的な関係からいえることは、あらゆる姿勢は頸部の付け根の後頭下筋群でコントロールされているといえます。

 そして脳は頭部―頸部―上背部―体全体と四肢に正しく着地するように働きかけます。

 したがって、頸部の緊張は肩甲骨・背部下部・股関節・足部の緊張バランスに大きく影響します。

 視覚中枢は解剖学的には後頭骨鱗部の頭蓋内の位置にあります。

 お尋ねの後頭骨の環椎に対しての位置異常が硬膜を経由して眼精疲労と関係していることも確かであり構造的に当然であるといえます。

 ここで、頭蓋オステオパシー理論でいう第一次呼吸システムの独特の表現である後頭骨の外旋によってのみでは前頭部は膨張拡大するためオデコは伸展し広がります。

したがって、このシステムのみの考えでは外旋によって前頭部のシワが出来るのではなく、むしろ内旋静止によってシワが出来ると考えた方がよいと思います。

 つまり、頭蓋オステオパシーでいう後頭骨の外旋とは蝶形後頭底軟骨結合部の屈曲(上昇)を意味しており、吸気時とか膨張期ともいわれていて、仙骨の動きの連動を伴います。


たがって、正確にいうと環椎上での後頭骨の過伸展(前下方移動)とは意味が違います。

 ただし、確かに、頭蓋外の筋骨格系の後頭下筋群の過緊張は後頭骨を外旋に導きます。


この点からいうと外旋静止は当然りありえることなので間違いではありません。

 オデコにシワが目立つ側では、一番多いパターンとしては外来の後頭下筋の過緊張と蝶形後頭底の屈曲と伸展のどちらかの静止状態とその捻転の組み合わせがセットなっているケースが多いと思われます。

 蝶形後頭底の動きだけの考え方では、前頭骨内旋側に斜めじわが形成されることになります。

 わたしたちは一般的に、ショック状態やその後に疲労が蓄積すると呼吸の呼気状態の姿勢を維持しています。

この点は頭蓋骨も同じで、正確には頭蓋の呼気障害といわれています。

 さらに疲労の蓄積により顔面神経による前頭筋の緊張でおでこにシワが出来ます。

 ご存知のように、頭皮の位置にある帽状腱膜は筋膜の連続ルート的には足底腱膜からのルートです。

 環椎上での頭蓋の前方移動での頭部過伸展は顔面の表情筋を頭方から背部や足底部に連続的に牽引する力を頸部で遮断してしまいます。

 これにより帽状腱膜での表情筋を引き上げる張力は限定的になり、頸部で止められるため、頭部の筋膜疲労を蓄積してしまい頭皮や頭蓋の硬さに繋がってしまいます。

 筋膜の弾力性が失われた結果、前頭筋の表情を作るときの折り畳みの繰り返しの動きに張りが無くなりシワが出来ることもあり得ます。

 その様な考え方からではその考えも成り立つといえます。

 

 質問2

 口角をあげ、逆三角の笑顔にする方法の一つとして、
表情筋レベルにある大頬骨筋、小頬骨筋を使い口角を挙げ、それを人差し指で固定し、そのまま下の歯を見せながら大きく開口することで、口角を逆三角形に挙げるという手法を考えました。
理屈としては、
同じ筋膜レベルにある表情筋筋膜と広頸筋のうち広頸筋と拮抗する頬骨筋群を拳上させたまま下制させる広頸筋を使うことで、開口時でも口角を挙げていられる様に筋膜に働きかける。
という説明は成り立ちますでしょうか。
また、その手技で他の理屈がありましたらご教授頂けると幸いです。
NHKの話が来ているので正確な知識が必要だなと思いました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 質問の回答です。

 画期的な発想だと思います。

 理論的には表情筋拮抗運動の効果を部分的に活用した組み合わせと感じました。

 基本的には表情筋は日常生活の喜怒哀楽で常に繰り返し使われているため、その方の精神状態や心の持ち方にかかわるため生活習慣の改善がその効果の持続に繋がると思います。

 したがって、一時的にそのエクササイズによって、その状態を実現できたとしても、それを持続するには、常に日常で働いている顔面神経の機能からいうと、クライアントさんのかなりの努力が必要になると思われます。

 具体的に、お話しすると、うれしい時にも嫌悪感のある時でもどちらでも同じ眼輪部から口角に繋がる拳上筋は使われています。

 また、不快感・泣く・疲労・怒りの感情の時には口角が下がることが必要条件になります。

口角の下制筋である広頸筋の動きを利用して口角を挙げるというのは本来の機能から考えると新しい発想です。

 口角を上げるための一つの提案ですが、口角を下制する広頸筋の緊張力を口角の周囲で抑制すると効果があると思います。

 具体的には、下あごの前歯から奥歯までの歯の付け根を四指の先で圧迫して広頸筋を緊張させるとその力は口角まで届きません。

 その広頸筋の動きを抑制した働きは、口角を拳上する筋肉の引きあげる力を助けることになります。

 一度やってみてはいかがでしょうか。

 間違いなく口角は上がります。

 また、少し詳しくなりますが、口角に関係する表情筋と筋膜は上顎・下顎・共に歯の付け根や顎の骨の骨膜に付着します。

例えば、口輪筋とオトガイ筋は上・下の前歯、口角挙筋と口角下制筋は、上下の小臼歯、頬筋は上下の大臼歯などです。

したがって、歯並びや顎の位置関係は表情筋の緊張力に重要です。

 この筋筋膜の付着部を歯ブラシなどで口内から圧迫して表情筋を動かすのも一つの方法と思います。

 尚、広頸筋の筋膜は鎖骨の内側と中間レベルでは大胸筋と連結しており口角の位置に影響します。

外側三分の一部分が三角筋の前部繊維から続いているため、下顎の角から頬やじりのレベルまで影響があります。

また、広頸筋の緊張には反対側の胸鎖関節の位置の改善が必要であります。

 内臓では腺分泌の神経反射的作用で卵巣の機能状態が広頸筋の張りと関係します。

 首のシワはこれと関係があるかもしれません。

NHKの出演たのしみにしております。

 

 質問者2          Megumi-Kさん、京都府         一般主婦

 

勝山先生に質問です。

 

先日、テレビなどで見たのですが本当に痩せますか?
テニスボールを体にコロコロあてていると痩せるといってたので、今、毎日頑張って実行しております。

質問の回答です。

 基本的に健康的に痩せるために必要なのは食事量と運動量のバランスの改善です。

 ただし、テニスボールを体でコロコロ回すことは決して無駄ではありません。

 問題なのは外部から刺激を与えることのみで痩せると考えるのは間違いだということです。

 健康的に痩せるためには、まず体は内外の環境に左右されるということを考えるべきです。

 以下テニスボールで効果があると考えられる理由をお話しします。

 誰でも知っているように、私たちの身体は骨や筋肉や内臓と血液やリンパや脂肪などで出来ています。

しかし、一般的にあまり知られていませんが、この部分的な構造を袋状に構造体として繋ぎ、一つにまとめ上げているものがあります。

 これを筋膜網といいます。

 その上に皮膚が被さって全体的な姿が出来上がり、他人とは違う個性的な体つきになります。

 この袋状の筋膜網は、内臓を包んだり筋肉や骨や靭帯や腱の表面だけではなく、その中にまで深く入り込んでさらにそれぞれの塊を連続して繋げています。

 ちょうどウインナーソーセージの袋のようにての部分を繋ぎます。

 この筋膜網の基本の材料になっているのはコラーゲンです。

この袋状の筋膜網は血液やリンパの通路を作るだけではなく、伸びた収縮したりして、そこから滲み出た液体を体の隅々まで運び栄養を供給しています。

 そして、体の表面に近い筋膜網では脂肪層を作って脂肪を蓄えて体熱の保存にあたります。

 この袋状の筋膜網は、姿勢や精神的ストレス・内臓のストレス・」機械的なストレスなどによりくなったり弱くなったりする性質があります。

 とくに、日常での様々な無理の繰り返しで精神的・情緒的な緊張が高まると筋肉の収縮パターンが乱れてしまい、異常な緊張、硬結、疲労などが現れます。

それは主に、首や肩や腰や膝などに頻繁に起こります。

 そしてこの様な状態や腰や肩等に歪みがあって慢性的に痛みがあったり動きが悪くなると、そこに繊維芽細胞という細胞が吐き出したコラーゲンが増殖し筋膜網は肥厚して厚くなってきます。

先ほども、お話ししましたが筋膜網は筋肉やリンパや血液や脂肪を丸ごと包んでいます。

この包んでいる網の袋がくなると血液やリンパや脂肪の通路がせき止められてしまい流れや動きが減少しそこに溜まって浮腫んでしまいます。

 ちょうど、化粧せっけんを網状の袋に入れた状態で、お湯につけた状態から冷やすと、化粧せっけんが溶け出して網に絡みながら、べとついて固まってしまった状態と同じです。

 この状態をテニスボールでコロコロとローリングすると筋膜網を伸ばす効果があります。

 したがって、硬く固まった半固体状のものは液体状に戻り流れが再開されます。

 この現象は、専門的には熱力学法則の一つでティクソトロビーと呼ばれています。

 テニスボールの利点は筋肉を部分的にほぐすのとは違い全体を伸ばすことにあります。

筋肉は部分的にほぐしてもに戻る性質があるため効果は一時的ですが、筋膜は同じ方向に刺激を受け続けるとそれを保持する性質があります。

これを専門的には、筋膜の可塑性と呼んでいます。

 ただし、筋膜はそれぞれの骨の関節部分で違うルートと連結しているため、その流れに沿ってスライドすることが大切になります。

つまり、膨らんでいるところや浮腫んでいる処だけをコロコロしもあまり効果はめません。

ここが、運動による筋トレやマッサージとうところです。

テレビで紹介していた内容を知りませんので、どこにどのように効くか具体的なコメントできませんが少なくともそのコロコロは継続すると効果があるはずです。

 ただし、その効果は体全体の構造的なバランスを改善するという点からのことであり、体の各部位で溜まっていた老廃物を排泄して筋肉や体液の代謝活動を回復するという範囲での限定的な効果となります。

 精神的なストレスや食事の改善・適度な運動の継続が原点であることには変わりはありません。

御健闘を祈ります。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください