2014美容矯正の散歩道Q&A
natuki―T さん(25歳)、東京都豊島区在住(2013受講生)
勝山先生へ質問です。
質問1、歩行時に足が外反と内反を繰り返して体重のかかるところが動作ごとに変わるとしたら靴のすり減りの偏りはどのように正していくべきですか?(左右のすり減りの違いは当然重心を正すべきだと思いますが)よく外側重心を治す外側だけすり減るのはよくないと言われますが・・・
質問の回答です。
足の関節では背屈と底屈は足首の距腿関節の動きで起こり、内反外反は距骨とその下の距骨下関節で起こります。
また靴の外側が減るのは、おもに股関節やウエストの動きによる体重移動の調整能力の低下が原因で片方の足からもう一方の足へ完全に移動することで起こります。
この場合には同時に頭も左右に動かす傾向があります。
これとは別に靴の後ろが減るのは股関節屈筋群の慢性的緊張があると起こります。
この場合には頭を上・下に動かす傾向があります。
また歩行時の筋肉の働きで調べると足の接地時の底屈内反の後脛骨筋の働きと体重の外側への揺れる動きが関係します。
もともとO脚や足のアーチを形成するための足底の腱膜や足根骨の歪みが原因で静止時の足の形が過剰に底屈内反していると靴の外側が減りやすくなります。
歩行時の横方向への揺れる動きは踵から足の外くるぶしの骨(腓骨)とその前にある立方骨さらにその前の薬指と小指に接続する骨に過剰に体重がかかります。
それが繰り返し習慣的に歩行時に起こると靴の外側が減ることになります。
また、歩行時の内反外反については歩行周期の筋筋膜吊革機構(M・L・S)の知識を知らなければなりません。
まず、この吊革機構での歩行時の構造の変化について簡単にお話しします。
足の動きは基本的に脛骨と腓骨頭の周辺に付着している筋膜のフックからぶら下がり足底を包む筋膜のストラップ状の鐙(あぶみ)により機能しています。
足の鐙とはちょうど馬に乗馬しているときに足を固定して置いている紐状のストラップのように足底を横にまたいでいます。
① 例えば歩行の始めに右の下肢を前方に振り出すと、右の骨盤の腸骨は仙骨に対して後方に回転します。そして踵の踵骨接地に向けての準備のために仙骨と坐骨結節に接続している仙結節靭帯と体重を直接受ける後仙腸靭帯そして仙腸関節の中にある骨間仙腸靭帯の張力を高めて仙腸関節を締め付けます。
② また足を下ろす踵骨接地に近づく直前にはハムストリング筋が活動します。とくに腓骨は下方に移動して大腿二頭筋を介してそれによって更に仙結節靭帯を強固にし仙腸関節の張力が高まり安定化します。
③ 次に地面への踵骨接地のために足を背屈するために第一中足骨と内側楔状骨に付く前脛骨筋が緊張します。これが足の背屈内反の動き(足を反らして内返し)のメカニズムです。
④ そしてこの前脛骨筋は足底で筋膜を介して長腓骨筋に連結しています。
この長腓骨筋の緊張は足の底屈外反(足を延ばして外返し)をもたらします。
⑤ この吊革機構は仙腸関節を締め付け下肢全体を働かせることになります。⑥ そして、この大腿二頭筋―前脛骨筋―長腓骨筋の縦軸のこの筋筋膜吊革機構はエネルギー貯蔵庫として、次の歩行周期で使用されます。
⑦ 地面に接地してる時の片足での体重支持の後半では、仙腸関節の締め付けは減少し右足側の腸骨は前方回転するにつれて、大腿二頭筋の緊張はしだいに減少し緩みます。
⑧ さらに右足が地面に接地すると、同時に反対側の左腕は前方に振れるため、右側の仙腸関節を固定して安定化するために右側の大臀筋が緊張します。
⑨ 歩行時に 骨盤上の体幹のラセン状の捻りの回旋をスムーズに行うために大臀筋は腸腰筋膜を介して、反対側の緊張した広背筋と機能的に同時連結することになります
⑩ その結果、上半身でも体幹を通る斜めの筋筋膜吊革機構が完成することになります。
⑪ そしてこれはまた次の歩行周期時に使われるエネルギー貯蔵庫となります。
⑫ また大臀筋の張力の一部が腸脛靭帯を介して下腿に伝わると収縮中の外側広筋が拡張することで腸脛靭帯は緊張します。
⑬ この地面での右片足接地支持期では外側広筋が活動して、膝の屈曲に対抗します。
これにより膝の過度の前方移動は守られることになるのです。
⑭ 地面での片足支持期が終わり、次に両足支持期が始まると仙腸関節の緊張は減少し大臀筋の緊張も減少します。
⑮ 次の歩行が始まると、下肢は再び前方に振れ仙腸関節の締め付け運動が始まります。
⑯ このことから云えることは、歩行周期の間には常に筋筋膜と靭帯の支持がありその動きには移動のための時間的な配列メカニズムがあり、仙腸関節と膝関節を支える支持力と同時にエネルギー貯蔵を行う支持吊革機構が存在することになるということです。
⑰ この吊革機構メカニズムの筋膜の何処かに短縮・制限・抑制の異常が起こると歩行の機能異常が起こってしまうことになります。一般的にはこの代償作用で頭が傾き左右か上下にずれている傾向があります。
⑱ 体重を支持している仙腸関節の後仙腸靭帯が過敏になり機能異常を起こすと大臀筋の緊張は抑制され、さらに大臀筋が抑制され弱くなると歩幅は短くなり股関節の伸展能力は弱くなってしまいます。このような状態が続くと今度はその力を補正維持する為に代わりにハムストリングの過剰使用が起こってしまいます。
⑲ 機能的にハムストリング筋は仙腸関節の支持には適していないため、仙腸関節の動きはハムストリングに過剰に負担をかけてしまうことになります。
最終的に仙腸関節の緩みと仙骨後方下方変位(側屈捻転)が骨盤の不安定の結果として起こり体幹は体重移動時に体が左右に揺らぐ原因となります。
その結果外側と内側の踵が緊張し足根骨の変位の原因となります。
靴の外側のすり減りは背屈内反の前脛骨筋と底屈内反の後脛骨筋の過緊張によって起こります。
靴の内側のすり減りはX脚や底屈外反の長腓骨筋と短腓骨筋・背屈外反の第3腓骨筋の過緊張によっても起こります。
ここで、重要なことは前脛骨筋・長腓骨筋ともに同じ内側楔状骨と第1中足骨に2つの腱を持ちそこの骨の動きが深く関係していることです。
またこのようなほとんどの人は肩甲骨の高さが違いさらに胸郭の片側への捻じれや移動と頭の前への移動があり、歩行と同時に頭の動きでバランスを取っています。
エクササイズとしては一般的には歩行時に顎を引いて頭を上に吊り上げるイメージで歩くと体重の左右のぶれが少なくなります。
⑳ 多くの靴のすり減りはこの吊革機構の不安定な動きと支持力に関係して発生します。
mana-Kさん(32歳)東京都世田谷区在住(2012受講生)
勝山先生へ質問です
質問1、肩の高さについて
右肩がものすごく長く下がり左は短く上がっている方がいますが。
ハンド(肩甲骨)やラセン(前鋸筋)を入れてもなかなか改善されない場合は、単純に施術回数が足りないのか問題の場所が違うのかが知りたいです。
整顔でお顔は小さくまとまっていますが首は捻じれありです。
質問の回答です。
右肩が左に比べて長いのは肩甲骨の外側への移動によるものです。
このような場合では椎骨と肩甲骨の内側の幅が左右で違います。
背面での筋肉の関係では幅が広い側では菱形筋の伸長緊張と前鋸筋の短縮緊張があります。
この場合にはさらに肩甲骨の下部僧帽筋の伸長固定と肩の前面の烏口突起に付着している小胸筋の短縮緊張があります。
一般的に肩甲骨の外側の移動は下角が盛り上がって翼状肩甲骨となり肩が前方に突出します(肩甲骨の内旋)
質問の通常のハンドとラセンの施術で結果が出ないのは前面にある小胸筋の解放ケアーが欠けているのが原因かもしれません。
また、あまり知られていませんが烏口突起の靭帯と接続する鎖骨下筋の過筋張が原因かもしれません。
整顔で首の捻じれがあるのはまさにラセンの問題です。
肩の長い側の反対側の頭板状筋と頚板状筋に過緊張があるために頭が傾き緊張側に顔と首がねじれます。
その他ラセンの場合は足底から後頭レベルの脊柱起立筋の後頭下筋が過緊張もあるためNMTの後頭骨ラインのさらなるケアーが必要かもしれません。
質問2、顔が縦に長いお客様
小顔であまり結果の出なかった方がピュアによりお顔が丸くバランスよくなりました。
どこが原因で?目元や前頭骨が原因でカオはのびますか?
質問の回答です。
勝山美容矯正システムの小顔ケアーは顎関節の動きを活用してそのレベルの下顎骨を顔の中心へ整える矯正法です
ピュアメイク整顔は主に前頭骨や眼窩部に重点を置いたケアーです。
じつは、あまり重要視されていませんがこの眼窩部には側頭骨から後頭骨のラムダに向かう帯状の筋膜ストラップがあります。
多くの眼精疲労を伴う方の顔はこの筋膜が肥厚して緊張しています。
ピュアにより顔が丸くなったのはこの部位の施術により筋膜の解放された結果によるものかもしれません。
maki―Tさん(40歳)東京都渋谷区在住(2000受講生)
勝山先生へ質問です
質問1、オイルセラピーをしていて筋膜の反応が速い遅いと感じることがあります。
その方によると思いますが本来健康な方は反応は速いのでしょうか?
質問の回答です。
NMTの施術は筋膜のルート解放が中心ですが、一般的に関節周辺は固くあまり伸び収縮しません。関節から次の関節までの間は比較的伸び収縮の幅があります。
硬結があり緊張している部分がある程度解放されると同じルートの筋膜ラインは素早く反応してその先にその運動エネルギーを伝達します。
比較的、筋膜の慢性緊張の少ない方は反応が速いといえます。
質問2、仙骨が固くて平な感じの方、仙腸関節がガチガチの方はオイル・整顔・クラフット以外で何か対応方法はありますでしょうか?
質問の回答です。
仙骨が固定されていて仙腸関節の緊張が強い場合一般的には後仙腸靭帯・骨間仙腸靭帯の過緊張があります。
これは、体重を支える部位に関係する下肢からと体幹からの筋膜ルートに深く関係しています。
特に外側の長腓骨筋と外側ハムストリングからの接続が仙腸関節の仙結節靭帯や仙骨筋膜を緊張させます
またあまり知られていませんが骨盤部に広がる鼠径部の横軸ストラップや坐骨結節や大転子から恥骨に接続する恥骨横軸ストラップの過緊張が仙骨や仙腸関節を固定してしまいます。
施術としては最新METスリムボディーメイクテクニックのヒッアップや小尻メイクやディプレオパシーのぺルビスが効果的です。
質問3、関節、靭帯(?)がユルユルな感じがある方がいますが、何が問題なのでしょうか?オイルセラピーやクラフットで適度な弾力を回復することは出来るでしょうか?
質問の回答です。
関節が異常に動きやすい人の構造は深部に極度に緊張のある細い芯のようなものがあります。これはかかしを垂直に維持している細い棒に似ています。そこは骨や腱、靭帯の間の周囲に筋膜のはがねのような構造が存在しています。
また関節包の中の滑液が多くて関節が膨張していたりすると結合組織は緩みユルユルの感じがあります。筋肉が収縮を繰り返すときは結合組織は筋と骨をしっかりと覆うように働きます。
基本的に筋肉はそれを包む筋膜鞘によって構成されています。この筋膜鞘には筋内膜・筋周囲・筋上膜などがあり全身を滑らかに動かすように繊維組織が層状に重なっていて骨の周囲で圧縮したり渦を巻くように働きます。一般的に筋肉は伸びたり収縮して筋膜の組織内に圧をかけます。
その際に刺激を受けた繊維質の筋膜鞘は連続して骨の骨膜に運動を伝えます。
さらに長期的に刺激を受けたその周囲には繊維芽細胞が増加したりその分泌物も増加します。
そして筋肉の収縮による刺激はその周囲の筋膜を増殖させて厚くさせます。
これによりその周囲の関節は丈夫な覆いを作ることになります。
特徴として筋膜のような結合組織の繊維は刺激を受けて緊張のあるところにはどこにでも増殖する性質を持っています。
このように結合組織が厚くなると弛緩してユルユルだった組織は弾力性を回復して跳ね返りのあるものになります。
したがってこの様な方にはオイルセラピーやクラフットだけではなくMETスリムボディーメイクのセラピーを追加するとよいかもしれません。