2021顔と感情に関する美容矯正的究明
質問者:Misako-Sさん東京都在住(美容師・美容矯正セラピスト)
長期化するコロナ禍生活の先が見えず気分が滅入ってきました。
ネットやTVなどをみて情報をとっていると胸が苦しくなったり首や肩が凝ったり、段々イライラしてきたのか子供に「ママ、ブスになってるよ」と言われてしまい、はっとしてとてもショックでした。
何とか穏やかな気持ちでいたいのですが、何か良い方法はありませんか?
質問の回答です。
前回にもお話ししましたが
現在のコロナ禍の長期に及ぶ対応の影響で、多くの人々は、不安・恐怖・怒り・不快感・悲しみ等の感情が頻繁に混合して繰り返し現れるために顔の歪みや体全身に多くの疲労感や痛みを感じています。
当然ですがそのストレスで顔は浮腫みたるみやシワが増えてきます。
これは、コロナ禍以前の一般的な日常生活での姿勢の骨格の構造の歪みによるものではありません。
コロナ禍でのショックや心理的動揺などの感情が筋膜などの結合組織中に混入して緊張固定しているために起こっている現象です。
殆ど全ての人の身体の筋膜中の固有受容感覚器は情緒や活力の状態を感じ取る能力があり、身体はこの感受性を全身で感じ取っています。
特に普段感じているマイナス感情を平静を装って隠してその感情の勢いを抑制しているとその代償作用で次第に喉や胸が締め付けられ緊張が高まるようになります。
そして、喉の周囲の硬さにつながってしまいと怒ると人の声は上擦り、言葉も出なくなり、深い悲しみでは人は皆息を詰まらせます。
この感情を抑制して代償作用が始まるこの瞬間が感情が筋膜や結合組織中に蓄えられる瞬間です
ストレス感情の発生からそのパターンをあらわす表情筋の緊張から始まり
その影響は神経系を経由して筋骨格系へ移動します。
結果的に呼吸制限が起こったり、背中・首・喉や顎や上胸部・腋窩等を中心に身体の部分を固定されることになります。
このメカニズムによる固定は、単なるストレス解放のための運動やゆがみの解消の施術方法だけでは根本的には解決できません。
とくに、疲れている時の運動エクサイサイズは、運動時間の程度にもよりますが筋膜や結合組織は本来の解放効果とは逆の効果をもたらして硬くなったり収縮したりすることがあります。
つまり、筋骨格系の固定は一時的に解消できるとしても、不安・恐怖・怒り・不快感・悲しみ等の感情が混合した負の情動がポジティブな安心感・平和感・喜び等の情動に転換されて持続されるまで続きます。
顔の筋膜や皮膚には表情筋の収縮や緊張により影響を受ける神経受容器が沢山あります(皮膚には求心性感覚神経や副交感神経節後神経線維・交感神経節後神経繊維、コリン作動性交感神経が分布しているが※表情筋には筋紡錘レセプターはありません)。
その中の一つに内臓や筋肉と情報を交換している感覚受容器があります。
もし、顔の特定の部分の皮膚や筋膜が長期的に繰り返し刺激を受けるとその部分の感覚受容器が破損し体の内臓や筋肉とのメカニズムが切断され受信交信はエラーになります。
結果的にそのことが原因で内臓不調や筋肉の過緊張・筋力低下がもたらされることになります。
この異常状態の顔面の感覚センターが回復しない限り、
本来の筋肉の張力や内臓の不調の改善は期待できません。
「心配と懸念」の感情は眉間をその中心部分に引き寄せる(皺眉筋の収縮)ことで額のその部分に縦のシワが発生することになります。
目元の上瞼を持ち上げ(上眼瞼挙筋の緊張)白目をはっきりと現し下瞼を緊張(眼輪筋の下部の緊張)させ膨らませます。
口は開き、唇は僅かに緊張し後ろに引かせるか、あるいは押し広げて後ろに引き(口輪筋の弛緩、広頚筋の緊張、オトガイ三角筋、下唇下制筋の緊張)ます。
この口角を引き下げる筋肉の長期的な緊張と収縮は反射的に連動して肩甲骨の棘下筋(胸腺反射)と小円筋(甲状腺反射)の筋力低下をもたらします。
結果的に、これがコロナ禍での生活の老け顔やたるみや深い法令線や肩を巻き込む背骨の猫背姿勢と胸部の緊張の原因となります。
また、コロナ禍によってのコロナ自体の影響そのものではなく、
それによって変化した今後の生活に対しての「恐れや不安」を抱えている人や
普段から心配性でヒステリーな人が訴える症状の一つにアゴの下の喉の周りの慢性的な緊張や痛みや腫れがあります。
これが長期化すると最終的に無気力や抑うつへ変化する可能性があります。
そして、多くの場合、咽頭・喉頭の緊張と口を開閉する筋肉のバランスが崩れていることや顎関節機能が変化しています。
ここで、一時的ではありますが顔の一部分を刺激するだけで効果が期待できる簡単なエクササイズを紹介いたします。
1,おでこ(前頭骨)と鼻(上顎骨)の一番窪んだ付け根(鼻根点)のところを左・右を別々指で押してみます。
この場所は眉間と共に不快感や恐怖感がある時に収縮しているゾーンです。
次に息を吸った状態で押してみて次に息を吐いた状態で押してみます。
痛みが軽減した呼吸のどちらの状態を保持して痛みが軽減するまで揉み解します。
例えば、息を吐いた状態の方が痛みを感じなかったらその呼吸状態でそのゾーンをスライドします。
次に、付け根を円を描くように指を10回転します。
このゾーンの解説
この窪みの付け根のゾーンの右側が左側よりもし痛ければそれは右側の胸鎖乳突筋の緊張があることを意味しています。
多くの人はストレス性のマイナス感情発生時は頭は首に対して前方に移動します。
このことは、同時に胸鎖乳突筋の過緊張を生み出します。
これは首と頭の右側への傾斜と反対側への顔の回旋さらには内・外腺分泌の機能低下や顎関節障害の存在を意味しています。
もし、付け根(鼻根点)の左が右より痛ければ左の胸鎖乳突筋の緊張があることを意味しています。
これは首と頭の左側への傾斜と反対側の右への顔の回旋さらには内・外腺分泌の機能亢進や顎関節障害の存在を意味しています。
2,法令線(鼻唇溝)のできているラインを押圧して左・右を擦ってみます。
左右の法令線の位置に指を置き呼吸をして痛みの変化を調べます。
もし息を吸っている時が息を吐いている時よりも痛みが軽減するようであれば
息を吸いながら法令線を痛みが軽減するまで擦ります。
その反対に息を吐いている時が痛みが軽減するようであればその吐いている状態で法令線をスライドします。
このゾーンの解説
もし、右側が痛ければ、それは右側の棘下筋と小円筋の筋力低下を意味します。
それは、右側の肩甲骨の外側への移動と肩の前方傾斜が起こり、さらには腕の内旋と背中の丸みを作り出します。
多くの人はストレス性のマイナス感情発生時は肩甲骨は外方に移動し背中は丸まり腕の内旋と胸部の緊張を引き起こします。
左側が痛い場合にも同じことが言えます。
棘下筋は胸腺の反射を受ける筋肉で小円筋は甲状腺機能の反射を受ける筋肉です。
3,小鼻の横のゾーンを左側と右側を指で押圧してみます。
もし息を吸っている時が息を吐いている時よりも痛みが軽減するようであれば
息を吸いながらそのゾーンを痛みが軽減するまで擦ります。
その反対に息を吐いている時が痛みが軽減するようであればその吐いている状態でそのゾーンをスライドします。
このゾーンの解説
この部分の痛みは頸椎のほとんどの部分の緊張を意味しています。
多くの人はストレス性のマイナス感情発生時は胸部の緊張と連動して頸部上部の過伸展と頸部下部の前彎による過緊張を引き起こすため首の屈曲と伸展に制限が起こります。
連動して喉の部分を締め付けるような緊張感を引き起こします。
顔面では、頬筋下部のたるみと深い法令線や口角の弛緩と上唇上での縦方向へのシワの形成へと移行してゆきます。
4,最後に耳の前と後ろ上の3か所を別々に5センチの長さでスライドします。
これも呼吸法を連動して痛みが軽減した呼吸でスライドします。
耳の前と後ろは縦方向にスライドし、耳の上は中心から横方向に5センチ幅でスライドします。
このゾーンの解説
耳の前のゾーンの反射は大胸筋鎖骨部の緊張のバランスを改善し上部肋骨呼吸制限を解放します。
耳の後ろのゾーンの反射は前鋸筋の緊張バランスを改善し上部肋骨呼吸制限を解放します。
耳の上のゾーンの反射は中部・下部僧帽筋です。
この部位は自然免疫機能の反射を受けるゾーンです。
先ほどもお話ししましたが、感情による姿勢の歪みや痛みは単なるストレス解放運動やゆがみの解消方法だけでは根本的には解決できません。
つまり、一時的に解消できるとしても、不安・恐怖・怒り・不快感・悲しみ等の感情が混合した負の情動が人間的な社会環境が改善したことで「安心・平和感・喜び」等のポジティブな情動に転換されて持続されるまで続くことになります。