2020素肌美人への美容矯正改革
質問者:Naomi-Tさん(東京都足立区・美容矯正スクール受講生)
勝山先生
こんにちは
この頃、コロナウイルスによる自粛のせいもあると思うのですが、殆ど外出せず、家に閉じこもっています。
TV等を見ては不安になっても初めのころは気分転換できていたのですが、
長引く自粛生活の中で気力が湧かなくなり、なにもする気が起きなくなってしまいそうです。
美容矯正で何かシャッキとする自分でできる方法はありますか?
質問の回答です。
多くの人が抱えている最近の{不安や心配}の根源的な問題は
ウイルスの感染とその後の生活の問題の解決について
まだ先行きが明確に見えないことにあると考えられます。
「不安や心配事」を抱えているほとんどの人の表情筋は、目や耳から入ってくるマスコミや自治体の情報の影響を受けて、平静を装っていても、時には、顔のアゴ先のオトガイにシワができ、口角ががさり、皺眉筋の緊張により眉はひそめられています。
また、時々、マスコミをはじめとする風評等の偏った不愉快な情報により「怒り」の感情がこみ上げてくることで、目の周りの上眼瞼挙筋により上眼瞼が吊り上がり、上唇鼻翼挙筋によって、鼻翼が膨れ上がってしまいます。
これに加えて、著名人や知人の不幸や悲劇の情報を受けると「悲しみ」の感情が湧き出てきて、オトガイ三角筋により口の周りの口角が下がってしまったり深い法令線が出現してしまいます。
さらに、長期的にこの状態が続くと「疲労感」の表情が現れ口輪筋が弛緩し前頭筋の収縮により眉が吊り上がります。
この様に顔面筋膜の表情筋レベルでは、様々な筋肉が顔面神経の働きで変化して収縮しますが、これらのパターンが長期的に持続すると
それが原因で顔面の脂肪やリンパ液の停滞が起こります。
そして最終的に「肌質の変化」(灰色や濁った暗い色素)につながってしまいます。
ここで感情ストレスと肌質の関係について少し詳しく
解剖学的な観点から「反応のメカニズム」のお話しをします。
目・耳・鼻・口(特に目と耳から入る情報ストレス)を介して入って皮膚までのルートは
脳の大脳皮質の情動反応(不安・怒り・悲しみ・恐怖)→大脳辺縁系→視床下部→自律神経・内分泌系の乱れ→諸臓器のアンバランスな機能→姿勢保持に必要な骨格系のアンバランスな緊張を経由して
→皮膚の真皮層の弾力性や血液やリンパ循環の低下→基本的に肌を守る汗や皮脂などを排泄する排泄器官の能力の低下、
さらに表皮の角質のバリア機能の低下までがすべて関連していることが、すでに判明しています。
ストレスが何故悪いのかというと、そのことが体に多くの活性物質を発生させるからです。
このことが肌質のダメージと深く関係しています。
例えば、皮膚と神経に関わるストレスによって増加する生理的な活性物質としてよく知られている物質には
神経ペプチド、カテコールアミン・、副腎皮質刺激ホルモン、オピオイド・サイトカイン・等があります。
その中で特に、
神経ペプチドの多くが行動や情動(不安・怒り・悲しみ・恐怖)や皮膚に変化をもたらすといわれています。
すこし難しい内容になってしまいますが、
詳細な解剖学では、
皮膚には、求心性感覚神経や副交感神経節後神経線維・交感神経節後神経繊維、コリン作動性交感神経などが分布しており、
脳への求心性感覚神経がストレスの刺激を受けると、その刺激は脊髄の脊髄後根神経節から後角を通って視床に伝えられます。
さらに求心性神経は、それと一緒に並走する脳から外への遠心性神経に刺激を与えることで、皮膚へ神経ペプチドを遊離させるとされています。
また、脳の視床に伝えられたストレス刺激(不安・怒り・悲しみ・恐怖)は内臓の副腎という臓器を介して自律神経へと伝えられ、自律神経が末梢での神経ペプチド遊離を刺激して肌質の変化に影響を与えているとも考えられています。
そして重要なことは
単に皮膚と神経はストレスによる心の状態が皮膚に作用するだけではなく、
「表皮」のシステムが骨格の脊柱を通る「中枢神経系」によく似ているということです。
具体的には、中枢神経系で重要な役割をしているレセプターのGABA受容体、グルタミン酸受容体などが表皮のケラチノサイトにも同時に存在しており、
この事実は、ストレスによる不安や怒り等の情動が、中枢神経と同じように皮膚の表皮の角質におけるバリア維持機能や排泄器官の能力や表皮増殖のサイクルの変動をもたらすということを物語っているといえます。
さらに、近年の研究では皮膚は単なるバリア機能を有するだけではなく、様々な神経伝達物質、ホルモンを合成していることも判明しています。
現代の皮膚科学では
このようなメカニズムが、精神的なストレス(不安・怒り・悲しみ・恐怖)の神経系由来の皮膚の劣化の原因に関与していると考えられています。
皮膚医学では、アトピー疾患では抑うつ状態やサイトカイン値が高いと言われており、
また、ストレス発症時には生体において細胞性免疫は抑制され液性免疫は亢進するといわれています。
これらの刺激により
顔面の皮膚は肥厚し、肩こり、頭痛、めまい、胃腸症状などの不定愁訴が多くなるとされています。
以上のメカニズムを整理すると
1、心身の疲労やストレス→2、皮膚の悪化→3、皮膚バリア機能の低下
4、心身の疲労やストレスの解消は5→、皮膚の良質化→6、正常なバリア機能の復活ということになります。
このメカニズムの理論によると、目・耳・鼻・口から入る情報、特に目・耳から入るネガティブな情報による刺激性のストレスを鎮静、遮断することで、内分泌系を通じて皮膚角質バリア機能が回復できることになります。
次に骨格や顔と関係するメカニズムについてお話しします。
不安・怒り・悲しみ・恐怖の感情は、深層の下顎と関係する側頭部や頸部の筋膜レベルが過緊張になり、それが原因で呼吸や嚥下機能の低下につながります。
これは頭部と頸部の境目(頭蓋底後方の緊張)や舌骨周辺の締め付けと気管や喉の周辺の緊張(頸部内臓やその周りの組織)や息苦しさの原因となります。
具体的には、側頭骨や後頭部に付着している胸鎖乳突筋や僧帽筋による後頭部の緊張をはじめとして
さらに、下顎の上の側頭筋や咬筋の緊張、
下顎の下では舌骨の上にある顎二腹筋や茎突舌骨筋、舌骨の下にある肩甲舌骨筋等が原因となります。
側頭骨の周りの組織の緊張は慢性的な怒り、緊張、恐れと関係し
顎から下のある顎二腹筋や茎突舌骨筋や舌骨の下にある肩甲舌骨筋の過緊張は
不安と心配性によるヒステリー、性格の変化と関係し、さらに、喉の締め付けるような感じや痛みや腫れ、声がれの原因になります。
何故、このようなことが起こるかというと、この部分を支配する神経のほとんどが迷走神経・副神経・舌咽神経・顔面神経・三叉神経・頚神経と関係しているからです。
これらの症状は頭部(側頭骨・後頭骨内部)や頸部(頭蓋底と環椎・軸椎部分)や胸部(胸郭上口部分での胸鎖関節や頸部と胸椎部の境界域)の体液の循環に悪影響を及ぼし滞留をおこす可能性があると考えられます。
この部分の制限は、結果的に、横隔膜全体の働きの低下につながります。
横隔膜全体の働きの低下により、
疲労感、移動性の痛み、ガス交換の低下による代謝産物の蓄積、抑うつ、全身の倦怠感、精神的な活力が低下して、
最終的に無気力状態に移行して行きます。
深い悲しみは、究極的には血液の循環を悪くし、顔は青ざめ、筋肉は弛緩し、眼瞼は垂れ下がり、頭はしぼんだ胸に被さるように下げられ、唇、頬、下顎は全てその重みに耐えかねて下方へ落ち込んでしまいます。
悲しみには苦しみが伴いますが、これは体に問題がなくとも起こります。
これにより、顔の皮膚は劣化して浮腫み垂れ下がることになります。
最近の外因的な原因(ウイルスやその情報の発信元)から受けるストレスによる
気分の変化や表情と共に起こる、たるみや肌質の劣化は、この問題が根本的に終息するまで続きますが、
これらが原因で、体内に蓄積された疲労物質の排泄や気分の解消は、努力しだいで,ある程度回復することは可能になります。
つぎに、これに関係する簡単なエクササイズを紹介します。
気分転換エクササイズ(気分の落ち込み・不安・恐怖・ヒステリー・怒り等の軽減)
エクササイズ1、
椅子に座るか又は仰向けに寝ます。
次に、両手の指先を揃えて鎖骨の下を軽く押します。
この状態を保持して息を吸うか吐くかのどちらか又は両方の呼吸をします。
これは、胸郭の上口の解放につながり肋骨の動きをスムーズにし呼吸がし易くなります。
一般的には、(気分の落ち込み・不安・恐怖感のある時は息を吐き出した状態を出来るだけ限界まで保持し素早く息を吸います。最低3回行う)。
(ヒステリー・怒り)等の興奮状態の時は息を沢山吸った状態を出来るだけ限界まで保持し素早く息を吐き出します。最低3回行う)。
エクサイサイズ2、
椅子に座るか又は仰向けに寝ます。
片方の手の指先を揃えて反対側の肩と首の付け根に向かって強く付け根を押します。
次にその側に出来るだけ頭と首を限界まで傾けて保持します。
次に、一般的には、(気分の落ち込み・不安・恐怖感のある時は息を吐き出した状態を出来るだけ限界まで保持し素早く息を吸います。最低3回行う)。
(ヒステリー・怒り)等の興奮状態の時は息を沢山吸った状態を出来るだけ限界まで保持し素早く息を吐き出します。最低3回行う)。
次にその状態を保持した状態で頭を出来るだけ反対側に回して10秒間保持します。
これで、首の付け根が軽くなり首の動きや呼吸のスッキリ感が出てきます。
エクササイズ3、
椅子に座るか又は仰向けに寝ます。
次に片方の手の指先を揃えて後頭部と首の間の付け根の間の所に比較的強く押します。
この状態を保持して、一般的には(気分の落ち込み・不安・恐怖感のある時は首と頭を出来るだけアゴ先に近づくようにうなずくポーズをした状態で、さらに息を吐き出した状態を出来るだけ限界まで保持し素早く息を吸います。最低3回行う)。
(ヒステリー・怒り)等の興奮状態の時は首と頭を出来るだけ反らして息を沢山吸った状態を出来るだけ限界まで保持し素早く息を吐き出します。最低3回行う)。
これにより首と頭の緊張が軽減し頭全体が軽くなります。
エクサイズ4、片方の指先を揃えて反対側の耳を比較的強く引き離します。
色々な方向に引き離して一番気持ちの良いと感じる方向へ引き続けます。
この状態を保持して、一般的には(気分の落ち込み・不安・恐怖感のある時は息を吐き出した状態を出来るだけ限界まで保持し素早く息を吸います。最低3回行う)。
(ヒステリー・怒り)等の興奮状態の時は息を沢山吸った状態を出来るだけ限界まで保持し素早く息を吐き出します。最低3回行う)。
これにより、耳の聴覚や鼻の息の通りが良くなります。
以上のエクササイズにより、
胸や首、頭の付け根に加えて耳や鼻の通りが連続的に良くなります。
但し
この効果は一時的なもので、しっかりと効果を持続させるには長期的に繰り返す必要があります。