2020素肌美人への美容矯正改革
質問者:Toshie-A(千葉県津田沼市:美容矯正セラピスト)
最近クマを何とかしたいと悩んでいる人が多くいるのですが
そのクマができる原因やメカニズムを少し詳しく教えてください。
質問の回答です。
女性の3人に1人が「目の下のクマ」に悩んでいると言われています。
目の下にクマが出来ていると、明らかに疲れて見えたり老けて見えます。
クマには色々な種類がありますが、大きく分けると
1)生まれつき目の下の脂肪が少ないタイプ。
2)加齢や疲労ストレスなどによるにより目の下の眼窩脂肪(がんかしぼう)を支えている筋肉がゆるみ、眼窩脂肪が突出する(目袋が出来てしまう)ことにより、たるみが生じ、その下にへこみができるタイプに分かれます。
まず、最初に一般的にマスコミなどでよく知られている3種類に分類したクマのお話しをします。
1、茶クマ→色素沈着などが原因のクマ
化粧品のファンデーションを塗ると目立たなくなりますが、一時的で一般的なスライド手技セラピーでは何をしても(皮膚を引っ張っても上を向いても)消えません。
茶グマにも2種類ありますが
1つは、表皮にできたシミと同じ浅層のレベルのもので。
2つ目は真皮層のレベルでメラニンが皮膚の奥の方に沈着したものです。
つまり、茶グマの主な原因は色素沈着ということになります。
日光などの紫外線から受けた皮膚のダメージに加えて、瞼や目の周りをこすりすぎることで、そこに色素沈着を起こしやすくなります。
また、アレルギーなどのアトピー性皮膚炎や乾燥による痒みや化粧品によるかぶれも原因になっていることがあります。
また茶クマは、目の下にだけ出来るものではありません。
まぶたの茶グマは、直接的には老化や血液循環はさほど関係のないクマです。
また、皮膚の真皮レベルの茶グマは皮膚科学の専門医学分野では
遅発性両側性太田母斑様色素斑(ちはつせいりょうそくせいおおたぼはんようしきそはん)と呼ばれているアザです。
具体的には20歳前後から、両頬・おでこ・小鼻・目の下などに表れる青みのある灰色と茶色が混ざったような色素斑で、メラニンが皮膚の奥に沈着している状態のことをいいます。
茶クマは皮膚の基底層のメラニンや真皮層のアザは一般的な手技では殆ど改善できません。
2、青クマ→血行不良などが原因のクマ
血行不良などが原因のクマで目じりを横に牽引すると薄くなります。
このタイプはクマの境目の皮膚を軽く下に引っ張ると目立たなくなり比較的スライド等の手技で効果が出やすいクマです。
目のまわりには、たくさんの毛細血管が通っていますが、その血液が滞り目のまわりの薄い皮膚から赤い血液を含んでいる静脈の毛細血管が透けて青っぽく見えるのが青グマです。
原因としては、身体の冷や生活習慣、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足や疲労、ストレス、アレルギー、目の疲れなどいくつが考えられます。
ここで、疲れやストレスによるクマについて少しお話しします。
疲れていたりストレスを感じていたりするときには、身体は血液から多くのグルコースを取り入れるためにコルチゾールと呼ばれるホルモンをより多く生成して、目を覚ましておくためのエネルギーを与えようとします。
コルチゾールは時間をかけて一部の血管を収縮させたりそのほかの血管を拡張させたりします。
その結果目の下の血管が少し大きくなって、目の下のくまが濃くなりやすくなってしまいます。
さらに、アレルギーや血液の鬱血も関係します。
アレルギー反応により免疫システムがヒスタミンと呼ばれる物質を解放します。そのことで血管が拡張します。
その時に目をかいたりこすったりすることで腫れが悪化します。
結果的に蓄積した血液や炎症によるクマに加えて、腫れたたるみが濃い影を作ることになります。
最近では、携帯スマホやパソコンを使う人が多いですが、スマホやパソコンの画面を凝視することで、血流が滞ることも原因の1つです。
この場合、スマホを握っている手と指や上肢の関節や姿勢が深く関与します。
具体的には手技セラピストが一時的に改善できるタイプの多くの方はこの青クマと後にお話しする黒クマのどちらかに分類されます。
また肌の白い方は静脈が透けて見えるため青クマの方にみえます。
また、突然急に目の下に酷いクマが出来てしまった場合は体調不良のサインであることがあります。
鉄欠乏性貧血がそれです。
(赤血球内にあるヘモグロビンの量が減ると、貧血が起こります。ヘモグロビンを作るためには鉄分が不可欠でこの鉄分が不足することによって起こる貧血が鉄欠乏性貧血)の可能性もあります。
貧血になると血行が悪くなり、赤黒い色をした還元ヘモグロビンが停滞し目の下に青くまとなって現れます。
鉄分の多い食事を心掛ける他、症状がひどい場合は、専門の医療機関を受診しなければなりません。
3、黒クマ→たるみ、皮膚のへこみなどが原因のクマ
このタイプは顔を上に向くと薄くなります。
加齢等により目の下の眼窩脂肪(がんかしぼう)を支えている筋肉がゆるみ、眼窩脂肪が突出する(いわゆる目袋になる)ことにより、たるみが生じ、その下にへこみができるタイプです。
それは下瞼の筋膜の原料であるコラーゲンやエラスチン等が損失し、弾力性や膨らみを失ったことも原因となります。
「目の下の袋」 とも呼ばれ、目の周囲の組織が弱まりたるんで、脂肪が下部へ移動することで膨らんで見えることになります。
顔を上を向いて鏡を見ると目立たなくなりますが、化粧品のファンデーションを塗ってもこのタイプはその部分は目立ちます。
以上が一般的に知られているクマの原因できるお話しになります。
クマの原因は皮膚科学的な研究によれば、下眼瞼部の血流速度の低下による皮膚毛細血管内のヘモグロビンの増加や皮膚のメラニンの量の増加によるものとされていますが
その背景的な原因としては睡眠不足や老化や遺伝やシミなどの原因も考えられます。
具体的には睡眠不足や喫煙、アレルギー等、老化等、何かの理由で眼輪筋のある眼窩の周辺が後退し、脂肪量も減少すると眼窩の周辺にくぼみができてしまい、すでに、たるんだ眼窩筋膜や皮膚での水分摂取のし過ぎに伴いそこにメラニンの色素沈着を起こしてしまうことでもクマが出来てしまいます。
また、内臓の子宮や卵巣の生理機能に伴う下瞼の鬱血や肝疾患など皮膚の色素沈着を起こす疾病の症状が「くま」として認識されることもあります。
この場合内臓の機能低下が原因しているため専門医師の受診を受けることが必要になります。
クマの色は黒ずんで見えることが多いようです。
何故クマの色が黒ずんで見えるのかというと、それは下瞼の皮膚への様々な光の波長が原因として関係しているからです。
皮膚の真皮層の静脈の赤い血液の色は血管や皮膚を通して青い色に見えますが、さらに脂肪が少なくなり皮膚が薄くなると細い血管が透けて見えることになり、その色はより暗く見えるようになります。
以上の内容が一般的に知られているクマの原因できるお話しになります。
次に、美容矯正の考え方からのクマのお話しになります。
美容矯正的視点からでは、一般的な今までのメカニズムに加えて、
まず左右の脳半球の働きが関係していると考えます。
喜怒哀楽等の情緒的な変化による眼輪筋の収縮は左右では同等に起こりません。
脳神経の専門科学的見解では、ほとんどの場合、喜怒哀楽等による顔面表情は右脳の働きが優勢しています。
そのため、その右脳での感情刺激は顔面ではクロスして反対側の左の眼輪筋が右に比べて優位に反応します。
つまり右脳優先の喜怒哀楽では右側よりも常に左側の目の周囲の眼窩部の筋肉の緊張を優先しており血流量も多くなると考えられています。
左脳に影響を受ける右下瞼についても左脳の機能が深く関係していることになります。
これは長期的には左側の下瞼と右側の下瞼の緊張の左右差に現れてきます。
いずれにしても、老化や感情の変化による筋力低下が関係し左側の顔面のゴルゴラインや深い法令線、下瞼の下眼瞼筋膜溝や下眼瞼頬筋膜膜溝などの下瞼の窪みやたるみが形成され、左脳の影響が右側の顔面の下瞼のたるみや窪みの原因となります。
また、食事中に右側の歯で良く物を食べたりしている場合等では下顎骨の先端のオトガイが右側に移動していることが多く、この場合には右側の眼窩部の膨らみや頬筋の移動が起こります。
これは右側のゴルゴラインや深い法令線、下瞼に出来る下眼瞼筋膜溝や下眼瞼頬筋膜溝等の部位のたるみが形成れる原因となります。
さらに、咀嚼に緊張による側頭筋膜の前方への回転や咬筋筋膜の緊張による下眼瞼の下方への牽引緊張はいずれも下瞼のたるみや膨らみの原因となります。
下眼瞼への体の全体的なバランスからの影響では、同側の仙腸部の離開を伴う骨盤後傾と前傾や足の内反・外反の不安定機能がつねに関係して存在しています。
上肢での影響は手背全体から影響受ける前部三角筋と後部広頚筋の緊張が同側の下眼瞼の膨らむに深く関与することになります。