2017美容矯正の真理
質問者:MIWA-Jさん(東京都在住主婦)
勝山先生に質問があります。
身体が冷えると足が浮腫むと聞き最近女優さんなどが紹介している綿や絹などの異素材の靴下の重ね履きや圧迫する靴下がありますが、実際浮腫みがそれで取れるのでしょうか。
また、浮腫みには何が一番効くのでしょうか?
質問の回答です。
足の浮腫みに靴下の重ね履きは効果があります。
ただし、それは一時的なものです。
重ね履きをすることで、足とふくらはぎの部分の熱を保存できて血流が上がるため一時的に浮腫みが解消されます。
またその部位を軽く引き締めるために筋肉運動を外部から刺激することになるため緊張力が増します。
しかしながら、長期的にはそれは逆効果になるおそれがあります。
足やふくらはぎの筋肉は骨盤をはじめとして頭から手まで全身の筋膜網でつながっています。
歩行などの身体の動作をするときはこの全身の組織が緊張して滑りながら働き合って動いています。
全身のどこか一カ所が強く緊張していると他の場所の動きを鈍くしてしまいます。
例えば、姿勢を正して顎を引きながら片足をスイングすると股関節は比較的自由に動きます。
顎を前に突き出して足をスイングすると股関節の動きは鈍くなり足を動かすのは重たく感じます。
このこととは逆に足のふくらはぎを強く締め付けると首の動かしが鈍くなることがあります。
これは、その部位の筋膜網が締め付けられることでその刺激が遠く離れた首の筋膜までのルートを緊張させたことによるものです。
足とふくらはぎの筋膜網について少し詳しくお話しします。
膝から足までの下腿の筋肉群は4つの筋膜のボックスの中に分けられて入っています。
下腿の前面に位置するボックスの筋肉群は足を反らす時(背屈)と内返し(内反)する時に働きます。
その横の外側(外くるぶし)にあるボックス内の筋肉は足を外返し(外反)する時に働きます。
足の後ろ側(ふくらはぎやアキレスけん側)は2つのボックスに分かれます。
表面のボックスの筋肉群は足を伸ばし(底屈)たり、膝の曲げ伸ばしの時に働きます。
奥にある深部のボックスの筋肉群は足の指先を曲げたり足全体を伸ばす(底屈)時に働きます。
これらの、それぞれの4つの筋膜ボックスの中の筋肉はスムーズに滑らかに動くことが必要です。
片方の筋肉が短くなる時にはそれと反対の動きをする筋肉は緩んで長くならなければなりません。
この伸びと収縮のバランスにより足の関節が動き、歩行に必要なスムーズな動作ができるようになります。
ここで、重要なことは、それぞれの筋肉はすべてその内部まで筋膜網で包まれていてつながっているということです。
その筋膜網と筋肉の緊張が血液や組織液を循環させます。
筋膜網の中の組織液は刺激を受けると「のり」のように液状になり、しばらく放置するとまた固くなる性質があります。
足とふくらはぎの筋肉の緊張は部分的なものですが、それとつながっている筋膜網の緊張は次から次へとその先に動きを伝えてゆきます。
足の場合はまず膝へ伝わると次に股関節に伝わり骨盤の前傾と後傾の動きを引き起こします。
さらに前側の腹部や胸部そして後ろの腰背部に伝わり最後には頭部と両手にまで伝わります。
この様にかんがえると足の浮腫みはもちろん足の部位が原因で浮腫むことがありますがそれ以外にもそこから遠く離れた部位が原因という場合もあります。
一般によく知られている例として体重の重みとは別に、立った姿勢の状態での膝の曲がり具合や背中の丸み、両肩の挙上、下腹の膨らみ、そしてアゴ先の極端な前への移動などもその原因として考えられます。
それらに影響されて足関節や膝関節の動きが悪くなりふくらはぎの浮腫みが生じると考えられます。
また一般的にはあまり考えることはありませんが、ふくらはぎや膝の部分は感情的なストレスや内臓の機能低下が痛みとなって現れる場所でもあります。
一般的によく知られているのには、ふくらはぎの部分の筋肉が弱くなると副腎や膀胱に問題があるとされています。
もう少し詳しく話すと、これらの部分の痛みは情緒疲労が伴うことが多いとされています。
左右のふくらはぎの上部の痛みは心臓の問題と関係し精神的には疑い深くなる感情の傾向が起こります。
ふくらはぎの中央部の痛みは胆のうの痛みと関係します。精神的に破壊的な感情を伴うことが多くなります。
膝の裏の膝窩の上部は盲腸と関係し精神的には過去の憎しみの感情を思い出します。
膝窩の下部の痛みは卵巣の機能と関係し精神的にはこれも同じく過去の憎しみの感情が表れます。
さらにふくらはぎの下方(アキレスけんの近く)は直腸と関係し、精神的には大事な物事の決断や判断に混乱をおこしやすくなりやすい状態になります。
膝の外側の痛みは子宮と関係します。精神的には冷静さを失ったり、誤解が引き金になり誤った判断をしてしまう原因になります。
精神的なストレスによる感情が筋筋膜のルートにより伝達され足や下腿の浮腫みを引きおこすこともあると考えるべきです。
このように、情緒に対する身体反応は体のいたるところで起こります。
筋膜はこの情緒的な影響を強く受ける場所です。
これは、なかなか理解が困難な話ですがメタ・アナトミー(meta-anatomy)とよばれているものです。
靴下の重ね履きは一時的には効果がありますが依存性に気を付けることが必要であると考えられます。