美容業界では頭皮弛緩法を利用したケアーが伝統的に行われています。
スキャルプに対するマッサージ的ケアーを利用してリラクゼーション効果が期待出来る、ヘッドスパや私が考案した整顔シャンプーなどもその一部です。
東洋医学の経穴の刺激や他の反射点の刺激も良いと思いますが、頭皮を包んでいる筋膜の5種類の働きを考慮すべきです。
そもそも、SCARPとは
1. 皮膚(SKIN)
2. 緻密結合組織(CONNECTVE-TISSUE)
3. 筋腱膜(APONEUROTIC-LAYER)
4. 疎性結合組織(LOOSE-CONNECTIVE-TISSUE)
5. 頭蓋骨膜(PERICRANIUM)
の順で並んでいるためSCARPと呼ぶ。
毛髪に関係する層は2の層で、ここには動脈、静脈、神経が通っているからです。
一般にこの部位の刺激によって増毛や育毛のケアーを行っているのが多いようです。
しかしよく考えると解剖学的には、3の層の筋膜層が重要です。
ここには、2と強く結合している帽状腱膜があるからです。
前頭筋と後頭筋はこの層に包まれ顔面神経の支配を受けます。この筋膜層は専門の解剖学的には浅後線の一部とされています。
この始まりは足裏の5本の指から起こり足底腱膜―踵―膝―坐骨結節―仙腸関節―脊柱起立筋―帽状腱膜(頭皮の筋膜)のルートで流れ前頭部の眉間に強く停止しています。
また側頭部は浅前線の一部で足5本指の表側から始まり前脛骨筋・長趾伸筋(膝部)―大腿直筋(膝から前上腸骨棘)―腹直筋(恥骨から肋骨)-胸骨筋(肋骨から鎖骨)-胸鎖乳突筋(鎖骨から側頭骨)のルートで頭皮の横の部位に続いている。
頭皮の筋膜の位置の歪みはその上の層の血管や神経の働きに悪影響を及ぼします。
したがってこの連続的結合ルートは真面目に美容を考える人達にとっては非常に重要で今後の美容の研究テーマになる訳です。
また4の層は特殊な弾力があり、5の層は不思議と頭蓋骨にしっかり付着しているが各縫合関節部分には付着していません。
私が考えるには極微小の頭蓋骨の動きを保つために然うなっているのではと思うのですが、ちなみに縫合部分は地球の断層(プレートテクトニクス)と同じく斜めの斜端構造になっており頭蓋骨内の圧力の影響を受けるといわれています。
これらの解剖学的専門ルートは、もしかしたら、この部位にある髪の毛の発育や増毛のための隠れたテクニックのヒントになるかも。
また、足の指の表と裏の筋膜や骨の歪みの矯正で髪の毛が生えるかもしれません。
ケアー法は、次回のこのテラスで紹介します。