徹底集中肌質改善美容大学院
今月のメッセージは、頬周りの膨らみと皺のできるメカニズムのお話です。
顔面の頬の部分だけではなく、顔全体の張で共通に云えることは、そこの骨・筋・筋膜・皮下組織(特に脂肪体)が、全体的に、筋膜の引く張力と骨格のそれに対抗する圧縮力の引き合う力のバランスによって、顔の張りがたもたれているということです。
とくに、顔中に張り巡らされている、筋膜の網工の形が、脂肪組織の位置やその部の膨らみを決定します。
ここで、最初に理解しておかなければならないことは、顔の立体的構造は,骨盤ー胸部 ー 頭頸部 ーの逆正三角形構造の3極方向への筋膜の張りと連続的に続く緊張が、顔面の縦横全体の張に、影響していると云うことです。
実は、具体的に云うと、体の中心軸にある骨盤底(肛門筋膜の張のアンバランス)―横隔膜(胸腔容積の形と中心腱での筋膜と心膜のつながり)―胸郭上口(斜角筋と舌骨部のつながり―顎の下(口腔底)の筋膜繊維の横軸から支える張りの力が重要だということです。
つまり、ここでお話しする、筋膜張力理論は、伝統的に一般的に教えられてきた、顔の一時的で部分的な皮膚刺激や、顔の骨と筋肉が引っ張り合い引き付け合いながら顔の形が決まる、と云う部分的な概念とは全く違う、足から始まる体全体の立体空間構造での張力バランが、顔の構造形態を決めるとの考えの上に成り立ってます。
具体的に少し詳しくお話しすると、
一部の表面の顔の表情筋と首の薄い筋肉(広頸筋)は、顔の浅い筋膜(浅顔面筋膜)に繋がり、おでこのレベルの眉間に付いている前頭筋や頭頂部の帽状腱膜と繋がっています。
この帽状腱膜は、浅層の筋膜で足底の指先、踵を経由してから下肢の後面―骨盤―背中の両側を上り首の後ろ(頸部後頭部)で繋がっています。
したがって、このルートでの歪みによる、これらの筋膜の緊張の左右のアンバランスは最終的に結果として、口元・首・顎に広く張っている皮膚の歪みになってしまいます。
また、さらに多くの顔の表情筋が付着する深いところ顔面深層筋膜(咬筋筋膜・耳下腺筋膜・側頭筋膜)は、足底の親指、を中心として指先から足の内くるぶし(内果)を上り、
膝の裏から内股(内転筋結節)に入り、骨盤の底(骨盤底筋部)でそれぞれの内臓を包みながら、みぞおちの所(剣状突起)から胸の骨(胸骨体)の中の裏側(胸郭内面に入り込み、肋骨と胸骨の内側の筋肉=胸横筋(胸郭を内側から内貼りをしながら)に入り、喉の下(胸骨柄の裏から)に出てきます。
そこから舌骨周囲の筋群を経由して、顎の下(下顎底)に入り顎関節部位にある咀嚼筋を包んだあと側頭部を経由して、最終的に、顔面の表情筋を包みます。
また、足の指先の甲の側(前面)から、上って膝を経由して、太ももの前側の筋肉を包んでいる筋膜は、同じレベルの恥骨で間接的に、機能的に連結しており、
腹筋を包んだ後、胸の中心(胸骨筋)の上で、左右に分かれ、両側の首の筋肉(胸鎖乳突筋)を包んだ後に、後頭部でループで、つながります。
足底と骨盤や背中から上った筋膜のルートによる、帽状腱膜や、顔の浅い筋膜(浅顔面筋膜)での、表情筋と皮膚組織は縦結合がしっかりしているため、比較的弛みはあまりありませんが
喉の奥から上った深いところ、の筋膜(耳下腺筋膜・咬筋筋膜・側頭筋膜)は、多くの顔の表情筋と結合していますが、比較的緩く結合しているため、ズレて移動しやすく
この部の筋膜のアンバランスや、歪みが起こると、浅い顔面の脂肪組織を表面にある浅顔面筋膜が、支えることになり、その結果、下瞼や頬部・顎の下などに、垂れ下がることになります。
尚、美容整形で行われている、フェイスリフトは、浅顔面筋膜を後ろで、上に引き、垂れた顔面下部の脂肪組織を、持ち上げようとするものです。
また、眼窩下部の脂肪組織は、頬筋の表層にあり、浅い部分にある上唇挙筋と深層の口角挙筋の間にあるため、この部分の筋膜張力の低下は、クマや下瞼の浮腫みや腫れの原因になりやすいのです。
さらに、物を噛む咬筋や、下あごの下顎枝の間の脂肪(頬脂肪体)は、口を開けた時に顎(筋突起)の動きを、前と横に自由に動けるように、クッションの役割をしています。
この部分を包む筋膜は、非常に薄く、この部分の筋膜の緩みや歪みは、脂肪体の位置移動を引き起こし、目じりから側頭部のしわ、や腫れ、頬骨部のいびつな腫れ、顎のえら部のむくみと腫れ、の原因になります。
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このように、顔面の皮膚の下での表情筋は、骨格構造での筋膜移動、と深く関係しています。
首と喉部での、顎に行く筋膜の側頭部、や後ろから安定的な張力が、顔の張に大切であることは、云うまでもなく
特に、横隔膜での呼吸機能や、胸郭内の胸腔の広さと左右の対称性、が関係していることが解ります。。
息をする時の呼吸の働きは、横隔膜中心部を下に引きさげるため、一緒に心膜や喉の舌骨を、引き下げてしまいます。息を吐く時の呼吸の働きは、その逆になり、各組織は上にあがります。
この筋膜の、牽引作用は、顎の下から咀嚼筋を経由して、顔面骨の表情筋に対して変形した脂肪組織の形を、そのまま表わしてしてしまうことになります。
尚、体の筋膜からの情報伝達スピードは、音速の速さで、広がって行きます。
このことから云えることは、顔に刺激を与えることや、顔面の筋肉運動をさせることとは別に、呼吸と胸の胸郭の位置とを整えることが、顔の浮腫みや皺をなくすことに、大切なケアーであると云えます。 .