徹底集中肌質改善美容大学院
今月は、顔面の上瞼と下瞼の歪みと関係する頭蓋骨変位と筋膜の生体力学的考察からの情報を提供します。
まず、最初に少女から20代前半の方の皮膚の働きは骨盤の仙骨と腸骨と云う所の関節(仙腸関節の耳状面)という部分がバランスよく前後に向かって滑る運動を繰り返すことと、その相反作用の働きをする頭蓋骨のバランスの良い微小運動を受けて活動を行っています。
たとえば、わたしたちが歩行時に動かす足の動きや骨盤の動きにより骨や筋肉を繋いでいる筋膜の連続的結合ルートが足から頭や顔までの形や張りに大きく関係しています。
また、頭蓋骨そのものの非常に微小な縫合部分での斜め方向での滑りによる斜端移動の繰り返しによる結果生じる顔面骨の左右と対称的な捻じれ運動がその上の顔面の筋肉や皮膚の上でバランスよく繰り返されています。
したがって、若い20代前半の顔はそれぞれの部位でバランスよく膨らみ顔全体に張りがあり艶があります。
しかし、30代を超えると次第に骨盤の体全体を支える構造(仙腸関節体重支持軸受部の靭帯)に疲労が蓄積し関節部分での支持力が低下してしまい、片側の仙骨と云う骨の中心部分が後ろに移動してしまいそこで止まってしまいます。
そうなってしまうと、今まで前に真っ直ぐに歩けた動きに変化が起き横揺れの動きが混合されてゆきます。
その結果、足の内側のくるぶし(内果)と外側のくるぶし(外果)に腫れと痛みが起こるようになります。
じつは、この状態が長く続くと仙骨に付いている脊髄の捻じれ運動が頭蓋骨の後ろの骨(後頭骨)と前の骨(蝶形骨)の位置を反対方向に捻じれさせてしまいます。
その結果1個の骨は片方が上で反対側は下に移動し、2個ある骨はそれぞれ、複雑に位置がずれてしまいます。
特に、顔面のおでこ(前頭骨)と上あご(上顎骨)とこめかみの骨(蝶形骨)ほほの骨(頬骨)にストレスがたくさん溜まり左右非対称に捻じれたまま顔面骨は微小運動を繰り返してしまいます。
このことは、顔の所々に窪みや盛り上がりを作る原因になり、皮膚の形状ではたるみやシワのできる基礎の土台や下地となってしまいます。
30代から目立ち始める肌質の変化として起こる、頬骨の周りで赤みが減り、黄色が強くなりはじめると、その周りは全体的にくすみがちになり、さらにはその後にほほ骨の周りにできる薄茶色のしみの原因となり、最後に顔が全体的に黒ずんできます。
もちろん、このことは、生理機能の低下と深く関係しています。
すこしだけ、詳しくお話すると、先ほどの骨盤の関節部分が後ろで固定されてしまうとコメカミの骨が同じ側で張り出てしまい、それのずれが原因でおでこの骨(前頭骨)が前に出てしまい、上まぶた(上眼瞼溝)が盛り上がってしまい、さらに下まぶた(下眼瞼溝)とその下の眼窩部(下眼瞼頬溝)の両方を外側に引いてしまいます。
その結果、下まぶたの奥にある脂肪組織のふくらみ部分が現れてきます。
つまり、下まぶたそのものはひどく平坦に伸びてその部位の血管の血液の色素がはっきりと浮き出てきてしまいます。
もし、疲労が重なり、その部位の筋肉の力が弱くなると静脈の血液がそこに
溜まりさらにその奥にある脂肪組織が前に移動してきて、黒ずんだクマが発生してしまいます。
また、目じりと鼻の付け根の部分でも深く窪みができその部位の色は黒ずんでしまいます。
眼球を包んでいる眼窩全体は反対側に比べると横幅が広くなった印象になり、目と鼻の間が狭くなり近づいた印象になります。
さらに、眼球は前に飛び出し大きくみえることになります。
同じ側の頬骨は隆起して前に吐出していますが、ほほそのものは平坦になり内に吸い込まれる様な印象があり、このことは頬のこけた感じと皮膚が弛み易くなる原因となります。
反対側の上瞼と下瞼は目が奥に引っ込んでしまっているため、顔輪部全体の皮膚は窪んでさらに目に向かって引き込まれ複数の皺ができてしまいます。
この場合、そこの眼瞼部の溝は緩んでしまい凹凸状の皮膚とさらに血管がゆるむことで所々で黒ずんだシミ状の色が点在することとなります。
小鼻は横に広くなり毛穴が目立つようになります。
鼻から頬にかけての法令線(鼻唇溝)ができるパターンについては、2つのルートに分けられます。
1つは、鼻に対してあごが移動している側にできる法令線(鼻唇溝)は顎関節の移動に関係しており、あごが移動している側の反対側にできる法令線(鼻唇溝)はおでこの骨(前頭骨)の位置の移動と関係しています。
またその場合は頭の高い側で長いシワできます。
さらに法令線(鼻唇溝)のできる側の頬は引っ張られて平坦になりくすみが目立つようになり、反対側では毛穴が目立つことになります。
このように、30代を過ぎるとどんどんと顔面構造を支えている土台の構造自体が変形した状態で固定されてしまいます。
また、婦人科系臓器と関係している、太ももの内転筋の筋力低下がおこると肺や心臓を包みながら喉の奥から顔面に繋がるルートの筋膜が緩み顔の筋肉と筋膜と一緒に皮膚を下に引き下げてしまい、顔を下に弛ませてしまいます。
このことは、云うまでもなく、真皮と表皮における肌質機能の代謝活動に悪影響を及ぼす結果になります。
いずれにしても、表皮と真皮を合わせてわずか2ミリ程度の薄さの中で行われている活動は、斜めに微小な動きをする頭蓋骨の移動と歩行動作とそれらを下から上まで繋いでいる筋膜結合の刺激伝導を受けている訳です。
この筋膜結合の考え方から行くと、目の大きい側は足の外くるぶし(外果)が緊張して痛みます。
目の小さい側では足の内くるぶし(内果)が緊張して痛むことになります。
また、頬の周りのくすみは肺や呼吸器に関係する肩の三角筋が手の甲側(手背)から肩をとうして首の後ろから頭の後ろにつく筋肉(僧帽筋)と関係しています。
事実、手の甲側を方に向かって察すると頬の横幅が狭くなる印象があります。
最近は、大震災の影響もあって、地震の恐怖や不安による体の緊張姿勢が固定化されていて、特に頭部と頚部の位置関係が崩れている方が多いようです。
その姿勢とは、首に対して、頭が前に移動してあごが突き出ており、喉のところで胸が締め付けられている姿勢です。
この姿勢は突然の驚きとともに起きる、息を吐き切った時で止まる呼期相の姿勢です。
この状態は、顔面の歪みを、さらに複雑にさせることになり、ストレスと関係する皮膚心療内科的ルートからの肌質障害をミックスした状態で露呈することとなってしまいます。
最後に、頭の位置を体に対して正しい位置に戻すエクササイズを紹介します。
まず、最初に両方の中指を頭と首の付け根の中心の部位(後頭骨下)に置きます。
次に、両方の親指を耳のすぐ後ろにある張り出た骨(側頭骨乳様突起)の下に置きます。
その次に人指をその中間の位置に置きます。
3か所揃ったら、その指を頭の顔の前の鼻の方に向かって小刻みに20回程押します。
その後で、両目を閉じたまま、眼球を左右・上下・左右斜め下・左右斜め上に動かします。
この操作に慣れてくると、眼球を動かすたびに指で押さえている首の筋肉が僅かに動くのが感じられてくるはずです。
このセットを2回ほど行った後で、鏡でご自分の顔と首の位置を確認してみて下さい。
エクササイズが成功していれば、顎が首の方に引かれており姿勢が良くなってるはずです。