徹底集中肌質改善美容大学院
前回、1月のこのコーナーでお話したように顔面の皮膚の肌質は足の内側を上る筋膜の延長ルートが土台として関係しています。
今回は、まず肌質の変化が腺分泌と関係していることを少しだけ深くお話しします。
簡単に云うと、多くの腺分泌の低下は乾燥肌の原因となり、腺分泌の過剰は油肌の原因となります。
その理由は、皮脂腺・汗腺の分泌低下は乾燥肌を引き起こすからです。
また、その逆に皮脂腺・汗腺の分泌過剰は油肌を引き起こします。
すこし、むずかしい言い方ですが、これらの異常は脳下垂体の機能のアンバランスから始まりますが、それと関連する体の内臓を包む筋膜の捻じれにより肝臓に行く4種類の側副静脈という血管の血液の逆圧によって影響を受けた各内臓と筋肉の付着するところが腫れ上がることに原因があります。
このことが原因で腎臓・子宮・卵巣・消化器・横隔膜を含む呼吸器の機能に異常が起こります。
神経固有受容器反射メカニズムや生体力学の立場から説明すると、乾燥肌に関係する線の機能低下は胃の噴門括約筋の働きが低下したり,嚥下動作の低下を引き起こします。
また、油肌の場合は腺の機能亢進で横隔膜が拡張してさらに胸と喉の周辺が狭窄してしまい、呼吸困難や咳・喀痰・喘鳴を伴う発作がみられます。
特に、この場合は小腸機能異常により脂肪の過剰吸収のや両足首の浮腫みが特徴的におこります。
ここで、両方に共通していることは、どちらも腎臓と関係している大腰筋や呼吸器と関係している横隔膜の筋膜の歪みがコンビネーションで存在しているということです。
何故それが関係するかと云うと、足からの筋膜は内臓を包み、最終的に頭蓋骨の底(頭蓋底)の3個のルートで接続しているからです。
詳しく云うと食道から続く肛門の直腸までの管は、後頭骨の下面の前側からぶら下がっています。
呼吸器に関係している喉や舌骨はコメカミの部位で触れることができる蝶形骨翼状突起からぶら下がっています。
さらに、左右の卵巣をバランスよく垂直に保っているのは首の筋膜からさらに上に続く筋膜で最終的に側頭骨に繋がる筋膜が卵巣を上から吊っていることが機能的には重要なこととなります。
少し難しい話になりますが、脳下垂体はこの頭蓋底の蝶形骨トルコ鞍に位置しており、皮膚や神経に関係する外胚葉の連結部位となっています。
つまり、さまざまな精神的ストレスのこの部位での影響は肌質の悪化の震源地となるわけです。
また、その周りを囲む動脈の輪(ウイリス大脳動脈輪)では下垂体は血液中に各ホルモンを分泌調整しています。
その後ろの蝶形骨ー後頭骨の軟骨結合部は中胚葉の始まりで筋繊維体の中心部でもあります。
更に、その後ろの後頭骨部には内胚葉の管(咽頭円蓋)がありここから食道に繋がります。
私達の支持する頭蓋骨生体力学の体の機能メカニズムから云うと、頭蓋骨は脳圧の調整のために脳圧上昇時は微妙に頭蓋骨縫合は開きます(0,065センチの縫合隙間での動き)。
さらに、骨盤の仙骨部での動きとの連動で相反張力の引き合う力が脊髄硬膜に起こります。
このことは、顔と遠くはなれた骨盤の仙骨の捻じれが引き金になりその引き合う相反張力により頭蓋骨内膜の捻じれが起こります。
最終的に顔面骨の不正列が生じ、結果として顔面筋とその上の皮膚の歪みに繋がってゆきます。
詳しい説明は省略しますが、このメカニズムの関係で比較的若い女性は後ろから見ると耳が下がっている側のコメカミが窪み、窪んでいる側の目は小さくなり同じ側の法令線は反対側より長くなります。
20代後半から中年の比較的運動不足の女性は、耳が下がっている側のコメカミは腫れて出ており目が大きくなります。
更に口を開けると下唇は目の大きい側に下がり、上唇は目の小さい側に引き上がります。
また、このような状態は、しばしば黒くくすんだ目の周りのシワ・クマ・くすみ原因となっています。
このような筋膜ルートによる筋骨格構造の変化による顔の皮膚の変化は、一般のフェイシャルケアーは殆んど効果はありません。
また、以上のことから肌質の改善は内面の様々なルートからの改善なくして本質的には出来ません。
ここでは、唾の飲み込み動作と咳の正常な機能が肌質と関係していることを知って下さい。
尚、外的環境による影響に対しては皮膚表皮を守るためと、衛生目的のみでの一般ケアーが必要であることは当然のことといえます。
ご自分の今の体調が乾燥肌のメカニズムに該当するか、油肌に該当するかで適切なケアーをしてほしいものです。