体の動きで顔の形は変化する顔面美容力学
今月は内臓の位置と足の動きで顔の形が変化することについてのお話です。
一般女性で50㎏の体重の場合、その内臓の重さは約22㎏あるとされています。
ここでは一般によく知られている個々の内臓の重さについては全く触れません。
全ての内臓は最終的には全て筋膜網の接続により食道などの咽頭系を通じて頭蓋骨の後頭骨の底面に付着します。
また肺や気管などの喉頭系は下顎から蝶形骨の側面(蝶形骨翼状突起)に付着してそこから地面に向かってぶら下がっています。
ここで注目するのはこれらの内臓は足の動きにより位置が変化するということです。
例えば、仰向けで寝ている姿勢で右足の膝を抱えてお腹に向かってその膝を両手で引き付けるモーション(股関節屈筋の収縮)は左右の肺や気管の部位に筋膜牽引刺激が伝わりその位置や機能に影響し関係します。
もしその時に左足の膝が床から持ち上がる様であれば明らかに肺と気管の位置のズレに影響しています。
そのメカニズムを、少しだけ詳しくお話しすると左足の股関節を曲げる屈筋の筋力アンバランスは呼吸器系と関係する上部胸椎の筋肉部(菱形筋)を刺激し更に肩の筋肉(三角筋)の筋力を低下させてしまいます。
この機能低下は腕全体から後頭部や下あごの下顎角(広頸筋外側部)から目じり(眼輪筋)までの皺のできる原因となります。
さらに、このルートを筋膜接続的に調べると肺や気管を上から支えている部位は上部の頸椎部(横突起前結節)になります。
首の前面で内層にあるこの筋膜ルート(気管前葉)は下からの全ての内臓を包んでおり22㎏の重力が大なり小なり筋膜接続により頸椎横突起にかかることになります。
更に頸の舌骨と接続している肩の肩甲骨の筋肉(肩甲舌骨筋)により後ろからも引かれており後ろからも張力でバランスを保っていることになります。
ここでお話しする重要な点は、多くの顔の歪みを抱えている人の一次的な原因が顔そのものではなくこの首の部位での彎曲(生理的彎曲)の変化が原因になっているということです。
ここで、顔のゆがみと関係する頸椎の前面にある前斜角筋と頭長筋についてお話しします。
例えば、先ほどの肺や気管に関係する頸椎部(頸椎横突起前結節)は首と頭の位置のバランスを体の前側からコントロールする筋肉の前斜角筋は下側の頸椎を前に突出します。
また頭に対して首を真っ直ぐに伸ばす頭長筋は全く同じ頸椎(頸椎横突起前結節)に同じレベルで付着しています。
顔の歪みで悩んでいる多くの人の姿勢を観察すると共通する特徴的なパターンがあります。
特に頸椎を前に引きだす前斜角筋の過緊張があり、頭が首に対して前に移動してしまいアゴが胸の前に突き出てしまいます。
その反対側の背中では猫背姿勢がひどくなっており、足の膝の裏が伸び切りになってしまています。
多くの場合、地面に対して骨盤は前傾しており膝に対しては骨盤は後傾しています。
少しだけ専門的にお話しすると、この関係するルート(気管前葉と椎前葉)は左の上部頸椎では左の肺と胆嚢に関係しており、その一つ上の左の頸椎は右の肺や心筋・横隔膜に関係しており反対側の右の首の筋肉(胸鎖乳突筋)の固くなる原因にもなっています。
ここで、不思議なのは反対側の右の同じ頸椎の同じレベルでの頸椎横突起は肺や気管ではなく顎関節と盲腸や膀胱や尿管が関係してることです。
いずれにしてもこのレベルでの不良姿勢での過緊張は首と頭の付け根(頸部と後頭部の接続部)を圧縮し首に対して頭が後ろに伸展して反ってしまうことになります。
このひどく緊張している側では筋膜牽引により眼窩が拡大する様相を呈してしまいます。
つまり目が大きくみえることになります。
反対側では比較的目が小さくなる様相を呈します。
肺や気管の上では舌を含む側頭筋や咬筋の筋膜に接続し顎関節のズレやアゴ先端の左右のズレに関係したりします。
さらに最終的には、前面では目の大きさに影響する眼窩の骨(蝶形骨翼状突起)に接続し、側面では頭頂部(頭頂骨)後面では後頭部(後頭骨)を全体的に繋ぎます。
つまり、頭の頭頂部の中心から下あごを吊るして更に首に頭をセッテングする重要な筋膜ルートになりこの部位での緊張の不安定さが首のしわやたるみの起こる原因となる訳す。
また、顔の中心部の顔面の部位では上アゴ(上顎骨)の切歯・犬歯・小臼歯に関係しますが、上顎の切歯は首の屈伸の影響を受けます。
つまり首の曲げ伸ばし運動は前歯の切歯の力の影響を受けることになります。
上アゴでは特に犬歯のレベルが影響を受けるため口角拳上筋・大頬骨筋・小頬骨筋と口輪筋部の歪みの原因となります。
特に、法令線(鼻唇溝)の深さの違いや弛みの原因となります。
以上のことから云えることは右足の膝を曲げることで左足のひざ裏が床から持ち上がり浮いてしまう左股関節部屈筋の緊張は顔面の上あごの表情筋の筋膜の歪みの原因になっているということになります。
なお反対側の左足の膝をお腹につけるモーションで右足の膝が床から離れ浮いてしまう状態の筋膜ルートにより影響を受ける内臓は子宮でこの筋膜ルートは最終的につばの飲み込みに関係する咽頭から後頭骨の基底部に付着します。
興味深いことに、その部位には顎を引き下げ首を真っ直ぐにする筋肉(頭長筋)があるため、子宮位置異常や機能不全はこの筋肉の筋力低下をもたらしアゴを首に引き付け首を天井に向かって引き上げることが少なくなり頭の後ろへの反らしや傾斜の原因に関係します。
この状態はまた先ほどと同じようにやはり猫背姿勢の出来る原因でもあります。
顔面部では下あご(下顎骨)の切歯と犬歯と関係しており口角下制筋・オトガイ筋の緊張の原因になり下あごの浮腫みやシワ腫れの原因となります。
以上のことをまとめると
右足の膝を曲げることは顔の上あごの表情筋に関係し
左足のひざを曲げることは下アごの表情筋に関係することになります。
もしかしたら、就寝前の布団での左右の膝を曲げる運動の繰り返しで顔をの弛みやシワが薄くなるかもしれません。