2023顔と身体の美容矯正エビデンス(evidence)
[小顔とボディーの実レポート]5回目
報告者 森川まき
森川まきHA(奈良県出身)
10数年間に渡って京都と東京表参道にて多数の美容矯正セラピストを養成輩出する。
物静かな人柄と分かりやすい解説が評判で現在も関西・東京に限らず全国から大勢の受講生が独立開業を目指して学んでいる。
現在
東京表参道&京都美容矯正スクール学院長
勝山浩尉智美容矯正カレッジ本校アシスタント講師
今回は筋膜のルートを施術する際に欠かせない
「筋間中隔」についてレポートしていきます。
そもそも「筋間中隔」とは
筋肉と筋肉の間を隔てる筋膜の一種で
コラーゲン線維が密になっている結合組織です
体の「上腕、大腿、下腿部」に存在しており
骨格を曲げる筋肉、屈筋群
骨格を伸ばす筋肉、伸筋群
これらを隔てています
今回は上腕の筋間中隔について掘り下げていきます
筋間中隔の役割としては
隣り合う筋肉同士がスムーズに動くための仕切りの役割をしています
この機能があるから屈筋と伸筋が滑らかに動くことができます
上腕の筋間中隔は
外側筋間中隔と内側筋間中隔の2つあり
外側筋間中隔は手背の前腕伸筋群と上腕筋を経由して肩の三角筋に接続しています。
例えば、テニスの過度のバックハンドショットの繰り返しや肩と上肢の挙上(外転)を頻繁に行うと肩甲帯や胸郭や脊柱が不安定になりその場合には過度に緊張していることがあります。
内側筋間中隔は前腕屈筋群と上腕の烏口腕筋の付着部を経由して胸部の大胸筋と背部の広背筋や肩甲骨部の大円筋が付着する上腕の大小結節稜と結節間溝付近までを接続しています。
例えば、テニスのスマッシュ等で使われることが多く大胸筋や広背筋、大円筋の働きで肩関節の内転と伸展の動きと関係しその動きの制御と関係しています。
三角筋は鎖骨と肩甲骨に付着し大胸筋は鎖骨と広背筋は背部と骨盤へ大円筋は肩甲骨に付着します。
その関係でこの筋間中隔の片方又は両方が緊張し過ぎると肩甲骨の位置が固定されてしまいます。
またその動きや肩関節の位置や動きも制限されてしまいます。
特に、この筋間中隔の過緊張は猫背姿勢や座位での前屈み姿勢、脊柱後彎症などがある場合に多く見られます。
この筋間中隔の過緊張による肩甲骨の位置の変化は喉回りの舌骨の位置のズレを作りさらに下顎骨の顎先(オトガイ)や顎関節部分(関節円板との間の隙間が広くなり緩む)の位置を変化させてしまいます。
その結果、同じ側の顔面の筋膜は部分的にねじれたりたるんだりして、頬部には深い法令線が出来てしまいます。
施術をしていると肩凝りがある方は上部僧帽筋だけではなく
三角筋までひと塊になったように感じることもあれば
肩の筋肉よりも三角筋の硬直が強い方も少なくありません
NMTオイルセラピーを施術している際、
特に巻肩や肩の位置異常を感じたり
前腕の筋肉の疲労感がある場合は
腕全体が一塊の筋肉になっている様に強張っていて
もれなく筋間中隔が指で辿れない状態です
ゆっくり丁寧に筋間中隔に沿わせて施術を繰り返すと
筋肉の緊張が解けていくのが伝わってきます
厚みが出ていた三角筋や前腕までもが緩み出します
ここまで来たらお顔に触れていなくても
筋膜のつながりでリフトアップしてくれます
解剖学を学んでいても経験として実際に繋がりを目の当たりにすると
驚きとなるほど!と好奇心がくすぐられます
腕から肩にかけて筋肉の反発を感じられた際は
筋間中隔の硬直を察知し施術することをおすすめします
施術時間を無駄にしないで持続性のある結果が出れば最高ですね
以上です。
森川まき