2016美容矯正の大秘密(おば肌撃退大作戦)
質問者Ciko-Nさん看護師(長崎県長崎市)
勝山先生に質問です。
体調がわるいと口角が下がっているのですがそのままにしておくと
たるんでも元に戻らなくなるのでしょうか?
質問の回答です
その可能性は、必ずしもあると言えません。
確かに疲れている時には、口元の口輪筋が弛緩して、オトガイ下制筋によって口角がさがります。
そしてオトガイ筋によってアゴ先のオトガイに皺がよります。
これには、鎖骨から下顎についている広頚筋という薄くて広い筋肉も関係してきます。
また、普段、疲れのひどい時には眼輪筋はあまり変化しませんがオデコの前頭筋が収縮して眉を吊り上げています。
すこし詳しくお話しすると、口角には口輪筋の端に口角軸(モディラウス)という固いごりごりした結節があります。
そこには、口角を挙げる口角挙筋や大胸骨筋や口角を下げる口角下制筋などが付着しています。
口角が下がるということは、主にその結節の下に付着している筋肉が緊張していると言えます。
また普段あまり考えたことはありませんが、アゴ下に皺ができるときのオトガイ筋は下アゴの前歯の骨に付着しておりその部位の皮下脂肪を吊り下げています。
つまり、その部位のたるみやしわは、前歯とアゴ先の筋膜の位置が関係していることになります。
本題のご質問のつかれや疲労との関係でお話しすると
疲れている時には口が少し開き気味になりなります。
そのため顔が長くなりその下の喉回りは緊張するため短くなります。
口を閉じるときはその逆になります。
つまり顔と首の前にある喉回りの筋肉は常に逆の動きをしていることになります。
また関連する内臓からお話しすると、一般的にストレスにさらされると胃・副腎・胸腺などに影響が出てきます。
この中で副腎は体の下肢と骨盤をつなぐ縫工筋と関係します。
胃は腕と胸部をつなぐ大胸筋の鎖骨部・頭の側頭部とつなぐ胸鎖乳突筋・肩甲骨と胸部をつなぐ小胸筋と関係します。
胸腺は腕と肩甲骨をつなぐ肩甲骨の棘下筋と関係します。
これはストレス―内臓―筋肉のメカニズムです。
特に、集中力の欠如、偏頭痛・月経前症候群、慢性疲労、うつ傾向などに移行するときには、感情的なストレスは胃と関係する大胸筋鎖骨部の筋肉の力を弱くしてしまいます。
さらに免疫の低下が進むと肩甲骨の中心部分にある棘下筋が弱くなります。
また、疲れにより、常時ストレスに対抗するための副腎からのホルモン分泌が低下すると下肢の縫工筋が弱くなり骨盤の腸骨の後傾が起こること等がよくしられています。
これにより筋骨格系に疲労と関連する姿勢の形態パターンができてしまいます。
結果として崩れた姿勢バランスが起こり、顔をたるませることになります。
次に顔がたるむ原因の筋膜のお話しをいたします。
大きく分けて、顔の表情筋と脂肪を包む筋膜は2つに分けられます。
一つ目は、おでこの方に吊り上げている頭の頭長部の筋膜(帽状筋膜)です。
それは最終的には、背中や骨盤を降りて行き足底の腱膜から足の爪の裏の筋膜につながります。
したがって、歩行や体の動きが関係することになります。
2つ目は、耳がついている側頭骨の筋膜です。
それは首の胸鎖乳突筋を包んだ後には、胸部と腹部を降りて行きます。
それは最終的には、骨盤の恥骨に付着しています。
また立位で動いている時には、足の前面の爪の中につながります。
したがって、体の腹部の折り曲げや首の傾きが関係することになります。
この様に考えるとたるみには、顔の部分だけではなく体全体の筋膜の張力が関係していることがわかります。
もちろん顔の構造の中にある神経も血管もリンパもこの筋膜網の中を通過してゆきます。
しかも別々ではなく通路を決めて絡み合いながらです。
ここですこし口角に関係しているルートをお話しいたします。
口角を下げる筋膜ルートは、首の広頚筋とアゴ下の筋肉ですが、広頚筋とつながる胸部の大胸筋や肩の三角筋も関係します。
広頚筋は、直接口角を下制をしますが連続して関係するのは手の甲の手背の指のルートです。
また、アゴ下ではその奥にある舌骨の筋肉も深く関係しています。
それは胸郭の中の横隔膜につながっています。
骨格の筋肉との関連でお話しすると、顔の表情筋は脳の顔面神経(7番)の働きで動きますが、それと関連する位置にある脳の副神経(11番)という神経が首の胸鎖乳突筋と肩の僧帽筋を支配しています。
顔の表情筋を側頭部へ引きつけているのは、首の胸鎖乳突筋を包む筋膜であることや表情筋をオデコノ頭頂部へ引きつけているのは、肩と背中の僧帽筋とその下にある筋膜層であることを考えると、喜怒哀楽などによるストレスの影響が、胸部や背部にある筋肉に影響し、さらに表情筋の動きに関連しあっているということは容易に想像できることです。
エクササイズとしては
1、立った状態で内ももを引き締め
舌骨を左右に10回ゆさぶりそのあとで3回つばを飲み込むエクササイズを繰り返します。
2、さらにアゴ先の下に親指を食い込ませて、つばの飲み込みを10回行います。
3、最後に下あごの口角の位置に近い場所の歯茎の下に4本指を揃えて置き口を「イーという声」を出しながら横に広げます。
これにより広頚筋の働きを口角の手前でストップでき、そのあとで口角挙上筋群が緊張するため口角が上がります。