徹底集中肌質改善美容大学院
今月のメッセージは、内臓全体の筋膜の連続体によって首のシワの出来るメカニズムについてです。
最初に云わなければならいのは、首の前側のシワは胸や鎖骨の筋膜とは全く違うルートの筋膜が原因だということです。
したがって、一般的にスキンケア―で行われている下から上へのハンドケアーは、一時的にリンパ液の僅かな部分的移動があるのみで、首のシワにはほとんど効果はなく、また期待はできません。
少しだけ詳しく云うと、首の外側(胸鎖乳突筋)はウエストの腹筋(腹直筋)と同じルートであり、機能的に、太ももの前側の筋肉や足の甲の筋膜の連続であるため、腹筋の運動やエクササイズが効果的です。
しかし、舌や気管や甲状腺のある喉周りは胸の胸郭の内側から外へ出たもので、腹筋の筋膜とは関連性はなく、この動きは、呼吸の横隔膜の筋肉の動きに関係しています。
息を吸うとき横隔膜は、収縮し全体的に下に下がり移動します。
そして、その上の気管や甲状腺、甲状軟骨、舌骨等を筋膜の連続体の一部として引き下げてしまいます。
試してみて下さい、喉を手で軽く摑み息を吸うと喉が下に下がるのが直ぐに実感するはずです。
その横隔膜の筋膜は舌や喉から気管や心臓を筋膜牽引の力で下に引き下げます。
また首の深部で横にある固く感じる筋肉(斜角筋群)は、息を吸うと反対に収縮し肋骨を上に引き上げます。
ここでは、舌骨とつながっている肩甲骨の肩甲舌骨筋の作用に関しては深く触れませんが、背部の肩甲骨が後ろから舌骨を牽引しているため、肩の高さの左右の違いも首の喉周辺のシワに関係します。
試してみて下さい、喉の下横5センチ位を少し強く抑えて息を吸うとそこが上に向かって僅かに動くのが解ります。
息を吸った時に起こる、この首の筋肉の互い違いの反対の動きは筋膜網(頸部筋膜細胞外マトリックス)の滑りを作りだし、そこの組織の液体粘性状の基質(微小包コラーゲン)の緩やかな流れや動きを作り出します。
また、つばの飲み込み(嚥下動作)や、舌を出す動作により舌骨周辺組織も上下に動きます。
つまり、首の前面の筋膜網(筋膜マトリックス)は、息を吸ったり吐いたりすることやつばの飲み込みと舌の出し入れ動作の複合運動の刺激を受けている訳です。
この刺激を受けて繊維芽細胞は、コラーゲンを材料にして必要に応じて新しい筋膜網を作り出しています。
ここで、注意しておきたいのは、食事によるコラーゲンの摂取がそのまま体で活用されるのではなく、肝臓での貯蔵庫から繊維芽細胞が、体内環環の必要性に応じて調整してそれぞれの筋膜組織を作っているということです。
また、精神的ストレスなどにより、横隔膜の下にある内臓の機能低下の状態が長く続くと、体の横側からの引く張力とそれと反対に引く内臓筋膜の張力が失われ、水平横軸での内臓の正しい位置を保持できなくなります。
このことにより、内臓は位置異常や下垂の状態になり、それらの下垂によって首の喉周辺の組織を下に引き下げてしまいます。
喉周辺を下に引き下げる力は生体力学的に首全体を圧縮してしまい、縦軸の圧縮に対してに対して90度の角度で拡張して働き首が横に広がる結果となり、
横幅が長くて首が横輪状にところどころ5重の層に断層的に太くなってしまいます。
上から、調べるとアゴの1、下顎底、2、舌骨、3、甲状軟骨、4、甲状腺、5、気管のレベルで境目にできます。
もっとも、目立つのは甲状軟骨部で一番下の気管の部位は深く喉の方に奥に食い込んでしまいます。
たとえて云うと空気の入った風船を上から押すと横に広がる原理と同じです。
但し、風船は中に何もないため全体的に均等に広がりますが、人の首の場合は中に骨、筋、気管、甲状軟骨、甲状腺、舌骨、咽頭等があるため球状の横広ではなく、ややいびつ凹凸状に横に広がります。
実は、この現象が首のシワが出来るベースや下地になっているのです。
特に、骨盤内臓(子宮・腎臓・膀胱・腸・等)の下垂や捻じれは、重力の牽引力(ニュートンの法則)で下に下げる力を増強してしまい、この下からの力がさらなる首の横への断層的な太さを増強してしまいます。
その結果、横幅レベルでの深い横綸状のクビレや頸部内臓(気管・甲状腺・甲状軟骨・舌骨・)の形状を凸凹に映し出すように作ってしまい、さらに皮膚が深く奥に入り込んでしまいます。
また、舌に付いている筋膜は、喉や横隔膜やその下にある内臓や骨盤を通じて足の内股の筋肉やさらにふくらはぎの深いところにある筋肉(後脛骨筋・長拇指屈筋・長趾屈筋)を通じて内くるぶし側から最終的に足の足根骨に付きます。
つまり、舌は足の付け根と途切れなく連続的に繋がっているのです。
したがって、舌を口から前に出す動作は体の中心にある組織を全て連続的に繋がっている筋膜を通じて引き上げることになります。
この縦軸の垂直方向の引き上げるは、力学的に水平横軸の圧縮を引き起こし
また、首・ウエスト・骨盤・足の内股の筋肉を内側に引きつけることになります。
結果的に、首・ウエスト・骨盤・内股を細くスリムにすることになります。
一般的に他の動物に比べ、人間は、舌を出して呼吸や物を食べる事が少ないため内臓を収縮する習慣がありません。
従来のエクササイズによる腹筋運動等の外側からの収縮運動では不可能な内側の筋膜網の連続的な収縮が起こることでその力はその外にある腹筋群を内側に求心性に牽引することになるため、
結果的バランスのとれた正しい持続的な体のプロポーションを内側から維持できることになります。
今年の様な夏気候の長期化は、気温の高低の落差により飲食を通じて内臓機能をガタガタにしてしまいます。
このことは、
秋からの気候に対応できなくなることで肌の乾燥状態を深刻な状態に陥れてしまいますますシワが出来やすくなってしまいます。
舌の出し入れの習慣的な動き(例えば、ソクトクリームや棒状のキャンディーなめる動きや舌を上あごに丸めて引き付ける運動)はダブついて張りのなくなった内臓筋膜を収縮緊張させます
首の横幅での2重3重の凹凸状にできたシワをもちろんのことであり
舌を出す動きは、この体全体の唯一のネットワークシステムである筋膜網(細胞外マトリックス)の全体的な収縮力をもたらし、体の内面構造環境からの最も大切なダイエット法の原点であるかもしれません。
何故なら、皮膚の弾力や張力や基質の健全な働きは、皮膚と筋膜網との接着結合の連続体の影響を直接受けており、この部位での脳脊髄液(CSF)をエネルギー源によって発火した神経細胞・筋膜細胞の電気的イオンの活動電流の力に大きく依存しているからです。 .