徹底集中肌質改善美容大学院
今月のメッセージは筋膜ネットワークの張力が皮膚の機能に影響を及ぼすメカニズムの最終回です。
今年12回のいままでお話ししてきた内容は、決して一般的に知られている皮膚科学の学問を否定しているものではありません。
今まであまり知られていなかったこの顔の肌質改善との関係性で重要なことは、個々の部分の器官や細胞が個別に皮膚に影響を与えるということではなく、足底から頭蓋骨、最終的に顔面の肌まで特定のルートにしたがって全体的に連鎖して機能を発揮したり、不全になったりするということです。
顔の肌質はそこから遠く離れた部位の位置や内臓の機能の良し悪しが筋膜網ネットから真皮から表皮表面に現れ、各部位での中継リレーで色素として沈着し集まり浮き出ることになります。
肌質に影響を与える体の構造メカニズムのルートはたくさんありますが、
肌質の劣化の最大のルートは、つま先の爪の裏から始まり、足の内くるぶしの後ろから上ったところにあるふくらはぎの奥の部分(後脛骨筋)は肌質劣化の血液の液体老廃物を排泄する泌尿器(膀胱)に関係しています。
その上に続く筋膜ルートの内転筋は全て子宮・卵巣のホルモン調節機能で肌質と深く関係しています。
更に、その上に続く骨盤底の閉鎖筋膜からの肛門挙筋は直腸と子宮の位置に影響し、腸管からの老廃物毒素の排泄で肌質に関係します。
そして、そこから上に行くと血液を濾過する腎臓や肌質アレルギーと関係する副腎の機能が影響を受け関係しています。
ここまでの肌質と関係する前半部分の尿や便等の排泄系の筋膜ルートは、骨盤や股関節やさらには膝関節や足首で行われる、私たちの歩行活動や歩行周期に関係しています。
ここから上に繋がる同じ筋膜ルートを進むと、胸郭の中で横隔膜を包み更に肺を包み気管まで続きます。
つまり、肌質のクスミの原因の血液中の気体の老廃物ガスを運ぶ呼吸器につながります。
そこから、口腔底を上り舌を包み物をかむ時に使われる咀嚼筋から最終的に顔面骨に繋がります。
大きく仕分けすると肌質は歩行と呼吸に関係するこの2ルートが関係しますが
これら2つの肌質劣化と老化の体幹深部筋膜ボックスルートは、別々に作用したり働く訳ではではありません。
少し詳しく話すと、これらは、私たちの日常の生活で繰り返される呼吸周期と歩行動作の周期をバランスよく繋ぐ接続部位(腹腔神経叢=腰椎1番と胸椎12番の椎前)での機能に関係するのです。
更に、この接続部位(腹腔神経叢)は感情ストレスを顔面の皮膚に神経反射的に伝え皮膚の性質に影響を与えます。
歩行周期と関係する骨盤内臓は最終的に消化器系の食道から後頭骨の下にぶら下がったり、
喉の下から出た部分の一部のルートは、胸から肩・腕・肘の内側を通り手の平に行き、何も持たずに手を下にぶら下げているときには、肩から後頭部の位置に影響し首と肩の痛みや凝りの発生する部分に関係しています。
精神的ストレスに直接関係する呼吸器系の筋膜は蝶形骨に繋がり顔面のこわばりや肌質老化の全てに影響します。
また、頬骨下部に広がり皮膚に両側に出来る肝斑は左右の卵巣を包む筋膜ルートに従って左右対称にホルモン情報を色素で顔面頬部に伝えます。
特に呼吸の周期バランスは即時に皮膚に影響します。
例えば、太りすぎでの骨盤前傾による影響は、下腹部の膨大や頭頸部の緊張だけではなく、呼吸の吸気不足の原因になり、息を吸うときの時間が短くその最後にノドが緊張します。
性格的には、見栄をはり、目立ちたがり、プライドの高い短気な性格になり、副鼻腔の問題やアレルギー、そして、顔面紅潮、油肌・黒色に移行することになります。
反対に痩せすぎで骨盤後傾がある、やせ型の人は呼吸の呼気不足になり、息を吐くときの最後の時間が短くなり喉が緊張します。、性格は内向きになり、閉じこもりや鬱的状態に向かい肌質は乾燥肌に向かいます。
肌質と顔のメカニズムについては、従来から多くの美容専門研究家が言及していますが、
単純に、呼吸法や骨盤の改善や姿勢の補正では出来るものではなく、
呼吸を歩行に繋ぐのための接続部位(腹腔神経叢)での
連結や同時機能バランスの向上を円滑にすることが大切であるという結論になります。
ここで、総括して改めて云えることは、顔面皮膚へ体の情報を伝達するルートは一般に知られている1、血管(多細胞管)2、神経(単細胞管)と、今まで殆ど知られていなかった3、繊維芽細胞で作られたコラーゲン筋膜網(繊維管の細胞生成物)であるということです。
特に、皮膚の真皮下部への筋膜運動での刺激は組織液の緩衝作用と表皮の基底層へのメカニカルフォース(筋構造組織からの力)となり、それより上層の各皮膚細胞の機能の正常活動維持の原動力となります。
一般によく知られている角質での様々な機能や性質は、この筋膜網情報伝達ボックス内の神経・血管・リンパ・脳脊髄液の集合セットの性質に敏感に反応して、体の外界・内界の環境に適応しています。
体内には約600種の筋膜網があり、その全ての力学的張力や圧縮運動を通じて、生きている皮膚が脳に肌質の情報を伝達することになります。
かつての解剖学で云われていた骨は筋肉に付くという概念は徐々に支持されなくなり始め、全ての皮膚・筋・内臓・骨格はそれぞれにミックス結合された筋膜コラーゲンネットワークによって弾力的に構成されており、
皮膚は神経を通じて心の情報を受け、血管を通じて食生活の情報を受け、そして筋膜網を通じて体のスタイルと他人と違う個々人の顔の特徴を表現します。
そして素肌の顔の皮膚はこの3つのシステムのバランスの最終的な嘘偽りのない証言場所になることになる訳です。
おわり
※2013年1月から1年間の美容矯正メッセージは顔の個々のパーツが体の動きで変化するメカニズムについて12回シリーズでお話しします。 .