9月の美容矯正メッセージ

2022顔と体の美容矯正コンメンタール(kommentar)

 

質問者:Ayumi-wさん(東京都世田谷区美容矯正セラピスト)

歩行と顔についての質問です。

ハイキングや旅行先等でたくさん歩いた日に鏡を見ると

顔がシャキッとしているのですがこれには歩行の何が関係しているのでしょうか?

どのように関係しているのか顔と身体の具体的な関連性について教えてください。

 

質問の回答です

一般的には、よく知られているように、歩くために使われる骨格筋の運動エネルギーの燃焼や血液循環の促進による代謝の結果として顔がスッキリとすると考えられます。

しかしながら、具体的には、歩行時に働く顔面までの身体の筋膜系の緊張と弛緩の張力メカニズムや関節の動きと「感情の状態」に影響される内臓機能が大きく関係します。

歩行中の周期を簡略化して言うと、

1,歩行は踵の床面への着地から始まります。

関節や筋肉が正常な状態では、その時足首は背屈(反らしている)しており、

その後、足首は底屈(伸ばしている)します。

その時、骨盤は後傾(腸骨の後方回転)で股関節と膝は屈曲位です。

2,足底面全体が床面に接地するとき足首の関節(距骨下関節)の外返し(踵の骨が内側に傾く外反)が起こります。

このとき足の甲(中足骨部)は緩み足底内側アーチは下がります。

それに連動して骨盤(股関節)と大腿骨と脛骨(膝関節)は内旋します。

その時骨盤は後傾から前傾に回転(腸骨が後方回転から前方回転)し股関節と膝は屈曲から伸展位に向かいます。

3,さらに前に進んでゆくとその後の踵が床から離れて指趾に重力が移動します。

その時には足首の関節(距骨下関節)の内返し(踵の骨が外側に傾く内反)が起こります。

このとき足の甲(中足骨部)は緊張して硬くなり足底内側アーチは上がります。

それと一緒に連動して足趾が離れるまでの間は骨盤と大腿骨と脛骨は外旋します。

その時、骨盤は前傾から後傾(仙骨に対する腸骨の後方回転)に向かい股関節と膝関節は屈曲位になります。

このときに起こっている足と下肢や骨盤までの動きはそのまま筋膜系を通じて最終的に顔面筋膜へ伝達されます。

そのため、顔の輪郭の柔らかい組織は全体的に足からの伝達エネルギーや張力メカニズムの影響を必ず受けることになります。

ただし、ここまでは一般的によく知られている「歩行生理学」の考え方になります。

歩行時にはほとんどの場合、何かを考えながら

体調の良し悪し(内臓の好不調)に関係なく

肩と背中や腕で鞄を持ち上げながら動いています。

また、顔の柔らかい全体的な組織は感情の変化(イライラ、気分の落ち込み、怒り等)に伴う内臓機能の低下とそれに影響された筋骨格系の運動機能の低下も関係していたりします。

そしてその感情が歩き方の変化に影響をもたらすことになります。

例えば、普段から「横柄な感情」の持ち主の人は足を外向きに開き大股で歩きます。

「落ち込みや内向きの感情」の状態の人は足を内向きにして狭い歩幅で歩きます。

また、歩行周期中で顔の変化に最も深く関係するのは歩行時における持ち物の重さとその持ち方です。

鞄、買い物袋、等を手で持っているのか、肘にぶら下げているのか、片方の肩で下げているのか、片方の肩から斜めにぶら下げているのか、両肩で背中に背負っているのか、両側で持ち物を持っている場合等では

その持っている部位の違い等で複雑に持ち物の重力による顔への牽引力が変化します。

この持ち物の重力の変化が歩行周期メカニズムと一緒に加算されるため

顔の場合は一般的に知られているような歩行生理学の知識だけでは解決できない

ことになります。

いずれにしても

歩行周期中の体重と持ち物の持ち方(背中や肩や腕で持つ)の総合的な集積地としての場所が顔の全体の柔らかい部分と言うことになります。

ここで少しそのことについて

いくつか例を出して具体的にお話します。

1歩行周期の中で片脚支持(片足だけが床面についている)と両脚支持(両足が床面に着いている)は2回繰り返されます。

この歩行周期の中で顔との膨らみと深く関係する時期は立脚側(片足だけが床面についている)の体重の重みです。

反対側の遊脚相前半では顔の膨らみは減少し顔は少し伸びます。

このバランスがとれているのは両方の足が同時に床につく短い間の両脚支持期です。

片側支持期と両脚支持期は1歩行周期中に2回あります。

最初の両脚支持期は、

例えば右足の踵が床に接地している同時期の反対側の左足の足趾が床に接地している時期です。

この時期に体重は左下肢から右下肢に移動して行きます。

 

その後、腰椎は反対側の左側(遊脚側)にカーブして、お尻の大殿筋は右側(立脚側)に移動して行きます。

この時に体重の移動と共に顔の柔らかい組織も一緒に同じ側に移動します。

次の時期は、歩行の途中から逆転することになる反対の左足の踵が床に接地している同時期の右足の足趾が床に接地している時期です。

この時期に体重は右下肢から左下肢に移動して行きます。

その後、腰椎は右側にカーブしてお尻の大殿筋は左側(立脚側)に移動して行きます。

この時にも体重移動と共に顔の柔らかい組織は同じ側に移動します。

この横方向への移動幅は一般的に片側2㎝、両側で合計約4㎝程度あります。

このとき体重の移動する方向では全身は垂直の上下方向に動きます。

そして顔の柔らかい組織は床方向に下垂し垂れ下がります。

一般的に、体重のかかっている立脚側と反対側の遊脚側のこの上下方向の幅の違いは5㎝程度あります。

この上下方向の頭が上がる最大上昇期は床に足底面が密着している時期であり下半身と上半身が同じ垂直線上にある時期です。

その次は足趾での蹴り出し直後の時期です。

上下方向の頭が沈む最小の時期は、踵接地から足底が床に着く直後と前進するために体重が足裏から指趾に移動する時期です。

左右の下肢の長さが違っていたり、関節の動きに違いがあったり、筋肉の弾力性に違いがあったりすると

この垂直方向に重心が上下する運動と左右方向に移動する運動量のバランスに違いが生じます。

結果的に顔の左右の弾力性の違いに反映されることになってしまいます。

一般的に、顔の脂肪や水分量が多かったり、精神的なストレスで内臓機能の不調があると顔は浮腫み弛んでしまいます。

極端に浮腫みがあったり弛んでいると顔の柔らかい組織は歩行運動の度に顔面骨を支柱にして上・下・左・右方向に「振り子運動」をすることになります。

歩幅が狭いと振り子運動の運動幅も少く歩幅が広いとと振り子運動の運動幅も広くなります。

この運動幅が「適切の場合」使われる消費されるエネルギーは少く、

激しい頭の上下左右の動きは「増大」します。

この観点から言うと「顔に浮腫がある場合」はある程度力強く長く歩く動きはそれの解消に効果的であるといえます。

また、歩行運動中の上半身は僅かに速くなったり遅くなったりしています。

例えば、支持脚(床面に着いている側)が重心よりも後方にあるとき歩くスピードは加速し、

支持脚が前方にあるときは歩くスピードは減速します。

上半身の動きが最も遅くなる時期は支持脚の上に上半身が乗り上げる立脚中期です。

速くなるのは支持脚から上半身が離れてこれから支持脚へと上がり始める直前の「両脚支持期」です。

片側に体重が移動する立脚相のこの瞬間の時期に緊張している

筋肉の中に中殿筋という筋肉があります。

この筋肉は婦人科系の臓器と深い関係があります。

もし、この臓器が感情的なストレス(怒り、憎しみ、不安、イライラ)の影響を受け長期的に機能低下すると股関節部分のこの筋肉の筋力低下が進み体重を支えることができません。

お尻は過度に外側に移動して下に垂れ下がり、同じ側の肩は高くなり上半身は頭も含め反対側に移動してしまいます。

また、その後バランスを保つために同側に移動することが多いようです。

このことが度々繰り返されることで背骨の側弯が常習化してしまいます。

関連することとして鉄アレルギー症状、腹部の筋力低下も進み腹壁の膨隆、呼吸器系の機能低下による息切れ、悪寒発熱などのリンパ系の衰弱、

最終的にこめかみの沈下などが起こります。

歩行周期中の姿勢の変化に大きく影響する「憎しみや怒りの感情」は骨盤内臓の機能低下とともに皮膚の質の劣化と顔面筋膜の弾力性の低下を引き起こします。

それにより頬骨付着部の筋膜の衰弱が進み顔面の柔らかい部分は弛むことになります。

歩行時に足部の関節や筋筋膜組織が適切な動きを行うとその動きは膝関節の動きや股関節の動きと連動して骨盤の動きに作用します。

そこから脊柱を経由して頭蓋骨の前面に伝わり左右の顔面筋膜に圧縮と伸展の交互の動きをもたらします。

正常な状態の筋力と筋膜の弾力を持った骨格筋の短縮(求心性収縮)とそれにブレーキをかける筋と筋膜の収縮(遠心性収縮)が関節を適切に動かします。

最後に

歩行周期中の身体は一歩踏み出す度に体重の重みと移動する時の力が足の下にかかります。

逆に床から足にもその反発の力が戻ってきます(床反力)。

最終的にその力(床反力)は顔の筋膜まで到達します。

その結果、歩行周期中の身体のバランスが取れて筋膜系内でのエネルギー代謝が進み顔の左右のスッキり感に反映されると考えられます。

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