12月の美容矯正メッセージ

2019美容矯正の解釈学

 

質問者:Mika-Kさん(東京都渋谷区在住・美容師・美容学校教員)

 

最近、知り合いの紹介で美容矯正のサロンで施術を受けた時に受けた側がしっとりとしてまだ受けていない側がサラサラしていてその違いに大変驚きました。

これは、肌の水分に関係しているのですか?

 

質問の回答です。

美容矯正に限らずフェイシャルエステなどの皮膚への手技刺激によるスライドは皮膚の真皮層の血管に働きかけられます。

 そのため血液の循環が盛んになり表皮の潤いが増すことになります。

 顔の片側に行っている時はその状態になるため、まだ行っていない反対側との間に差が生じることになります。

 ここで少し皮膚の血液循環についてお話しします。

 皮膚の働きに必要なものとして、脂腺・汗腺・毛包などがありますが、真皮層その周りにはこれらに絡むようにして毛細血管が群がっています。

ここで、皮膚にとって最も大切な健康と美しさを作り上げるのは、真皮層での血液循環であるということです。

 また、古い血液を運ぶ皮膚の静脈は乳頭下層・網状層・皮下組織にかけて表皮に対して平行な面に網状になって広がっています。

 そして、さらに、その部分をそれに対して直角に上下に小血管が結ばれ繋がって走っています。

そのため、施術を行う時はその配列を乱さないように行うことが大切です。

 

 もう少し詳しくお話しすると、

 

体の深部から来た動脈の血管は皮膚のところで網の目状に広がり真皮乳頭の部分では多数の小さなループ(環)を作ります。

この血管は馬蹄形に見えるので毛細管係蹄と言われています。

実はこのループが体の内部から外側へ向かって回って流れてきた動脈の最終地点であり終着駅です。

表皮には血管はありませんので、その後は静脈となって血液は網の目を戻ってゆくことになります。

ここで、改めて認識しておきたいのは最初に心臓を出た血液は体内をめぐり、最後にたどり着くのが皮膚の真皮であるということです。

このため皮膚に来るまでの途中で血液に入り込んだ内臓や筋肉等の有害な物質が毛細血管に送られた場合には皮膚を刺激することも考えられます。

 さらに重要なこととしては、リンパ管は真皮乳頭層とその深層にリンパ網を作っており皮膚組織と毛細血管をつなぐ役割をしているということです。

 そして、そのリンパ管は表皮・真皮・皮下組織の全ての細胞間の隙、繊維間の隙、皮膚付属器(皮脂腺・汗腺・毛)の回りにお互いに交錯しているリンパ路と連絡してそれからリンパ液を集めてきてその近くのリンパ腺に送っています。

 皮膚の神経は知覚神経と自律神経とが分布しており、知覚神経は真皮の中で神経叢を形成し、枝わかれしたその一部が表皮にまで入り込んでいます。

先ほどの皮膚の潤いとして重要な表皮の角質層の部分ではバリアや保湿の状況に応じてこれらの神経が表皮の基底層の細胞に信号を送り皮膚の増殖を促すとされています。

皮膚の真皮層は筋膜(コラーゲン・エラスチン等)の要素である膠原繊維や弾性繊維が入り組んでいます。

 真皮層にあるこれらの筋膜は発生学的には中胚葉から発生するため本質的には骨・筋肉・靭帯・腱、一部の内臓(副腎・子宮・卵巣・血液その他等)との関わりは重要と考えられます。

このことは表皮が神経と同じ外胚葉から発生しているため神経的なストレスが皮膚の表皮に影響を与えるのと同じ考え方になります。

 少し難しい言い方になりますが

筋膜は筋肉実質の受容器(筋肉の収縮・弛緩・長さ・緊張などを調整する感覚器)の約6倍の量を持っていると言われています。

具体的には、真皮層間質液中にルフィニー小体・パチニー小体、乳頭下層の下に入り込んだマイスナー小体、乳頭下層に付着するメルケル触板

そして、その中の一部(遊離終末)は真皮を貫通して表皮に入り込んでいます。

 実は、美容矯正や手技による刺激効果はこの部分の感覚器が反応していると考えられています。

脳は、この筋膜内で起こっている皮膚センサーからの情報をもとに様々な変化に対応するために身体の組織と受信交信をしていると言えます。

今回のお話しとは直接関係しませんが、運動などによる筋骨格系での筋膜系のコラーゲンの半減期は約1年とされており、完全な変化は6~24か月の期間が必要とされています。

したがって、短期間での体系の変化を期待して行う激しい運動やエクササイズは筋と腱の接合部や反対側の損傷の原因になるとの考え方が近年西欧では広まりだしてきています。

また、たるみ等のケアーの関係でお話しすると、顔面(顔面神経系)については元々表情筋には喜怒哀楽の表情を柔軟に表現するために、硬くなるために必要な筋紡錘細胞は存在していません。

それなので、表情筋だけでの動きで表情筋を鍛えるのは難しいことになります。

但し、咀嚼筋(側頭筋・咬筋)には筋紡錘細胞が存在しているためこちらの方は鍛えることができます。

したがって、その部分に働きかけた効果を関連付けて表情筋の位置や形状へ働きかけることは可能であると考えられます。

また、脊椎の椎間孔から出る脊髄神経の静脈叢の様な顆粒が突出しており脊髄神経の神経周膜に包まれた内腔から脳脊髄液がリンパ系へ導出していることも判明している。

また、脳脊髄液が頸部のリンパ節へ還流し静脈系への循環していることを考えると顔の肌質の輝きや蘇生には血液やリンパ液だけではなく脳脊髄液の働きも考慮すべきであり蘇生と輝きの本質は脳から精製される脳脊髄液であるという仮説も成り立つと言えるのではないだろうか。

 

 

おわり

 

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