徹底集中肌質改善美容大学院
今月は眼輪部のクマ・クスミと頬の周りに出来るシミ(肝斑)の構造的発生原因についてのお話です。
両頬に出来る肝斑(シミ)の原因には紫外線を始め多くの角度から研究されていますが生体力学の視点から云うと
まず頬骨の筋膜は頬骨で上で下顎骨(下あご)をぶらさげています。したがって、下あごの動きに頬骨の皮膚は大きく影響を受けます。
また、この部分の筋膜は喉の奥から上ってきたルート(深前筋膜)で、下あごの構造(口腔底)の張力バランスも保っています。
つまり、頬の皮膚は喉の奥にある器官や筋肉もぶら下げていることになり、下から牽引されていることになります。
あまり知られていませんが、とくに重要なのは、肩甲骨と喉の奥の舌骨を繋いでいる筋肉(肩甲舌骨筋)が、何かの原因で、肩幅に違いが生じ肩甲骨が位置異常を起こし、ずれた方向に牽引されることで、頬と下まぶた(下眼瞼)の組織を過伸展(引き伸ばし)してしまうことです。
多くの場合、頭部にある筋膜のラセン構造のルートの影響を受け、右の頬の筋膜は反対の左の背中の肩甲骨に引かれ、左の頬の筋膜は右の肩甲骨に引かれます。
最終的に頬骨の左右の大きさの幅が違う結果となり、頬の幅が広い側の反対側の肩幅が長くなり、頬の狭い側の反対側の肩は短くなります。
また、内臓の関係からお話しすると、頬の筋膜は足の裏の親指側から内股の内転筋を包み骨盤内臓を包む筋膜と同じルートです。
神経・筋肉・内臓反射のメカニズムから内転筋は女性の子宮や卵巣の位置や機能に関係しています。また、腎臓や副腎も同じ筋膜に包まれます。
じつは、この筋膜ルート内での内臓活動は、そのまま頬部への血流や神経反射を通じて肌質に影響を与えます。
このことは、基底細胞での色素細胞(メラノサイト)や組織を内面から刺激してしまいます。
30歳位から出現する両頬の周りの褐色の色素沈着は多くの場合卵巣の機能低下によるものでこの筋膜内での体液循環に深く関係しています。
40歳を超えると老人性色素斑や、眼瞼の両側にできる黒色の眼瞼肝斑も同じで卵巣や副腎皮質・内分泌腺の機能低下によるものです。
生理周期に伴う体温の変化は頬の色に赤(黄体期)と黄色(卵胞期)の色素交換を齎します。
美しい肌は、赤・緑・青・黄色の色がバランスよく反射するためにふんわりとした透明感を感じます。
しかし、内臓の機能低下がはじまるとこの色素変化のバランスが崩れ色素反射による透明感が感じられなくなります。
一般に30代から頬の赤味が減り黄味が強くなってクスミがちになり全体的に肌色が黒くなります。
特に皮膚に影響するのは月経直前1週間の間で2~3日前は不安定でアレルギー反応が出やすくなっています。
生理痛の鎮痛薬を使用すると薬疹ができるのもこのためです。
また、皮膚は発生学的には外肺葉から脳と同時に形成されます。
つまり、皮膚と中枢神経系は同時に出来る訳で共通感覚能力を持っています。
したがって、頭蓋骨内の脳と外部の皮膚はどちらも表面である訳です。
頭蓋骨内の知覚器官である大脳皮質は、外部の表面の皮膚の感覚器官と密接にかかわり情報交換をしています。
このことは、心身医学で云う大脳皮質の心の情動反応と
皮膚が大脳辺縁系―視床下部―自律神経―内分泌―内臓のルートでつながっていることを裏づけています。
特に気分障害である不安・抑うつ・不満、様々な環境での怒りの抑制はアトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎の原因とされています。
最近の専門学者の研究によると情動反応(感情的ストレス)によるストレスは
視床下部―下垂体―副腎皮質ホルモン経路よりも
自律神経の交感神経ルートの肝臓から分泌される免疫細胞物質を増加させることが報告されています。
これによると、情動によるストレス(不安、抑うつ、不満、怒りの抑制)発生時は細胞性免疫は抑制され液体性免疫は亢進される、すなわちストレス刺激はアレルギー反応を促進することになります。
また皮膚の上層での真皮の乳頭部では血管が多く肝臓・副腎・卵巣などから運ばれる物質を活発に吸収しています。
このことによりストレス性の物質は表皮に流入することとなり色素細胞を刺激したり、基質の変化も起こり、肌の色素バランスが崩れてしまいます。
また、先ほどの情動ストレス(感情的ストレス)は姿勢の変化にも現れ特に首にたいして頭が前に移動してしまいます。
その結果首と頭の付け根の筋肉が緊張してしまい関係する目の動きの筋肉や眼球の位置に影響を与えます。
この様な状態の時、多くの場合、前から見ると目の大きい側の首は縦に短く小さい側は縦に長く見えます。
首の長い側では肩甲骨が肩の上の方に移動し後ろに張り出ます。
その結果同じ側の胸の肋骨に付着する前鋸筋・小胸筋・大胸筋が緊張し筋膜の牽引により反対側の胸郭を前に引っ張ってしまいバストの大きさや形のバランスがくずれてしまいます。
ウェストは肩幅の長い側では縦に短くバストは奥に引っ込み、肩幅の短い側では縦に長くなりバストは前に突出します。
ちなみに大胸筋は肝臓機能と神経反射的に関係しています。
また、肩甲骨の一番大きき筋肉(棘下筋)は胸腺と関係しその下の小円筋は甲状腺機能と関係し体温維持に影響を与えます。
頬骨の位置構造の変化は左右の顔幅の違いの根本原因になり
目の大きい側では頬骨と上顎骨の外旋移動に伴い目の横の左右の眼瞼靭帯が左右に伸長され頬骨下の眼窩隔膜は外側にはみ出してしまいます。
クマのできるベースはここに出来てしまいます。
目の小さい反対側では眼窩隔膜は内方に吸い込まれてしまいます。
実は、この筋膜構造の歪みがその部位の上の筋肉や皮膚の形状と弾力性に大きくかかわっているのです。
現在の皮膚のケアー法は、多くの場合、外部からの影響防ぐ衛生目的の方法と外部から皮膚内に必要成分を注入する方法が取れれていますが、
生理学的及び本質的に皮膚は内部の物を外に吐き出す排泄器官であり、
内部に注入されたものは皮膚の免疫作用により、次第に分解され血管に吸収されてしまい最後に体外に排泄されてしまいます。
反対に腸管は吸収器官であり肝臓を経由して皮膚に運ばれます。
ここで重要なことは、
皮膚の角質は脳の大脳皮質と絶えず情報交換をする場所であり皮膚や体内の危険に対して
信号を送り、その情報に基づいて各体内臓器や器官からはそこに必要な物質を皮膚に届ける働きがあるということです。
多くの女性が悩み続けている肝斑(シミ)を含め肌質ケアーで最も欠けているケアーはこの皮膚と筋肉の下の構造的変化と内臓機能及びストレスによる情動反応のケアーであります。
また、頬の周りのや眼窩の周りの老廃物を運ぶ静脈の血液は眼窩の中に入る血管から頭蓋底に入り顎の内側にある翼突筋静脈叢というところに集まります。
したがって、この部位への外からの顔面筋へのケアーは一時的で持続的な効果は殆どありません。
肝斑や頬の浮腫み、眼瞼のクマの効果的なエクササイズを教えます。
STEP1、
気になる頬と瞼の周りの皮膚を指で摘まみ少しだけ引き上げます。
STEP2
清潔な片方の一指し指を口の中に入れ顎の上の奥まで押し込みます。
軽い力でソフトに口の粘膜を傷つけないように注意して
1と2が出来たら口の中の指を素早く15秒間振動させます。
数分休んだらまた同じことを繰り返します。
3回程度で皮膚の色や腫れが引いてくるのがわかります。
STEP3