2021顔と感情に関する美容矯正的究明
質問者:Ayako-Eさん(東京都文京区、鍼灸師・美容矯正セラピスト)
感情が表情筋と関係しているのは分かりますが生理的機能の変化や姿勢や骨格の歪みがどのように顔の表情や感情の変化に関係するのか少し詳しく教えて下さい。
質問の回答です。
感情と顔の表情の関係は一般的に心理学の分野ではよく知られていますが
顔の表情は顔面神経の機能だけではなく、
右脳(情緒優勢)や左脳(理性優勢)の役割の違いと関係していたり、また、自律神経系(特に迷走神経)を介して内臓の働きに深く関係しています。
元々、人間の顔は骨格筋(皮筋や咀筋筋)が組み合わされてできている唯一の身体部分です。
発生学的にこれら顔面の肉肉群は
エラの基になる鰓弓の内臓筋である「呼吸筋」に由来しています。
また、表情筋に関する近年の研究では
異なる表情筋の働きが
心拍数や呼吸数のような
自律神経系の特定の生理的機能反応と密接に関してしていることも解明されています。
何かの理由でこの呼吸数と心拍数のバランスが崩れると様々な感情や顔の表情に影響を与えます。
この呼吸機能の乱れに伴い
自律神経を介しての婦人科系の臓器のトラブルも神経回路を経由してほぼ確実に顔の表情筋に反射します。
今回は、この女性特有の臓器と関連するメカニズムの一例を挙げながら筋骨格や顔の表情と感情の問題を説明します。
少し難しいい言い方になりますが
骨格筋の固有受容器の反射メカニズムルートでは卵巣や子宮と機能的に関係する臓器は脾臓と副腎です。
近年の生体力学の専門的研究では、これらの臓器と関係する筋肉は骨盤周囲の筋肉ですが、上肢の上腕三頭筋の筋力も深く関係していることが解明されています。
また、これらの神経反射ルートは必ず頸椎部の筋肉や筋膜の固有受容器を経由します。
具体的には、
左右の卵巣と関連する腰椎部分の歪みは頸椎の付け根部分の受容器を刺激してさらに右側への筋三角牽引を引き起こします。
その結果、右橈骨神経の分節中心の遠心性、求心性繊維の完全性が影響を受けて,
右上腕三頭筋の筋力が弱くなってしまいます。
また、その臓器と直接関係している骨盤部分では、その前方部分の筋へ知覚繊維を送っている固有受容器が破損するため腹斜筋の筋力が低下してしまいます。
このことは、下腹部が膨らむ原因となります。
さらに、胸郭後方の筋の筋力が低下するため、横隔膜と気管支が衰弱する下地が形成されることになります。
結果的に肺循環が悪化し、血中の酸素取り組みと血中からの二酸化炭素除去が減少するためこれによって、息切れ、息苦しさが生じることになります。
そして、同時に必ずと言っていいほど頸椎部分のどこかに張りや痛みを伴うことになります。
脾臓の反射も両方の上肢の上腕三頭筋がそれぞれ関係しますが
左右二つの卵巣に関しては右腕の上腕三頭筋のみです。
脾臓はリンパ腺も深く関わっているため悪寒と発熱、胸膜周囲の大網組織の温度調節や背筋の中部・下部僧帽筋の緊張関係し背中の痛みや張りと関係します。
この部分の筋力が低下すると猫背姿勢になり、拮抗している胸部の大胸筋が過緊張になります。
その結果、胸郭上部を締め付けることになります。
そして胸や喉周りの息苦しさにつながってしまいます。
多くの場合、
卵巣の機能がトラブルを抱えると腹斜筋の筋力が低下するため、
腹部が膨隆し、右又は左側から真っ直ぐに起き上がることが弱くなります。
このような息苦しさや痛みを伴う不快感は
後々、気分の落ち込み、不安感やヒステリー等を伴う様々な否定的な感情を引き起こすことにつながります。
特に専門的研究データーによると卵巣と卵管、腎臓側の尿管尿道等に問題があると「憎しみの感情」が引き起こるとされています。
また、この部位は腰部の骨格筋である「腰方形筋」への知覚繊維が関係しています。
もし何かの理由でこの部分の神経プールが破損すると筋肉中への鉄分の吸収に問題が起こります。
これは、鉄分が体内に十分にあるのにもかかわらず、筋肉中の鉄分量が欠乏することにつながります。
その結果、筋肉の緊張度、強度が減少してしまいます。
これは、脳が筋肉中の鉄分欠乏を認識しないためであり、食事による鉄分の不足ではありません。
したがって、彼女達はむやみに鉄分を取ると過剰に反応して鉄アレルギー起こしてしまいます。
また、よく報告されていることでは膀胱から体外へ向かう尿道が炎症を起こしやすくなったり、踵に極度の過敏と踵骨棘が発生しやすくなる方が多いようです。
時折、攻撃的な批判感情を伴いながらの梨状筋の痛みや
疲労感を伴う大腿後部の痛みそして膝窩上縁にも痛みが起こります。
女性特有の臓器がトラブルに陥ると顔の表情だけではなく姿勢や感情と性格の変化につながってしまいます。
これらの内臓の不調や骨格筋の痛みは顔に苦痛や不快の表情を作り出し
特に眼窩部分を緊張させます。
この眼窩の奥には「視床下部」があります。
その真下には静脈の血管が網の目状に分布している「海綿静脈洞」という洞窟のような部位があります。
そして、内頸動脈という血管がこの部分を通って心臓から脳へ血液を供給しています。
海綿静脈洞には動脈と静脈の間で血液の熱交換を行い、脳へ達する動脈の血液の過剰な温度上昇を抑える働きがあります。
感情に伴う表情を表出する顔面筋の動きは、顔面の静脈を圧迫することで血液の流れを変えたり、吸い込む空気の量を調整したりして、身体内の活動へも影響を与えています。
例えば、「怒りや悲しみの表情」に伴う眉をひそめる皺鼻筋の収縮は、上眼静脈等により眉間からの海綿静脈洞への血流を低下させることで熱交換の効率を低下させます。
その結果、脳へ達する血液の温度は相対的に高いままであり、「不快の感情」が生じるとされています。
一方で、痛みや不快感がなく「心地よい笑顔」に伴う「大・小頬骨筋」の収縮は頬部の静脈を圧迫することにより脳の海綿静脈洞への血流を増大させ温度を低下させる働きがあります。
同時に鼻腔に取り組まれる空気量を増やすことで結果的に脳へ達する動脈の血液温度が低められることになり「快い感情」が生じることになります。
一般的に、人は顔の表情と一緒に体を動かして、それに見合ったポーズを取ります。
例えば
「嫌な感情」が起こると、人は身体をその対象者から背ける動作をします。
「恐怖の感情」が起こると
頭や身体を後退させて身体を硬直させ、そこから逃げたり、声が高くなったり、突然の深呼吸をしたりします。
「怒りの感情」が起こると
顔の表情と一緒に頭や顎が前に突き出します。
「悲しみの感情」が起こると
顔の表情と一緒に、頭や視線を下げる動作、うなだれる動作を行います。
「軽蔑を感情」が起こると自分の顔の鼻先を見るようにして、頭を後ろに引き上げたりその上体で頭を左右に傾けたりします。
「驚きの感情」が起こると肩を引き上げたり一瞬呼吸を止めてその後深呼吸等の動作を行います。
このように、
感情の表出は必ずといっていいほどそれに合った顔の表情と体の動作を伴います。
また、
うつでは表情が全般的に表出されず
肯定的感情の表出が限定されます。
統合失調症や自閉症でも健常者と比較して
表情が乏しい傾向にあります。
日本人は感情の表出は外国人に比べて表出を控える傾向があります。
一方で家族に対しては「ネガティブ感情」を表出する度合いが外国人よりも多いことが報告されています。
このことが顔のゆがみや体調不良の原因に関係しているのもかもしれません。
おわり