体の動きで顔の形は変化する顔面美容力学
今月は、体の捻じれと手の動きで、顔と目が変化することについてお話しします。
このお話は、一般の解剖学とは違い、あくまで生きている頭蓋骨は動くという視点にたっています。
私たちは一般的に立位で歩行動作をするときには、どちらか片方の前足を拳上して動きます。
この動作は、体を全体的に包む浅・深筋筋膜の骨格との連続性の関係で、骨盤の仙骨と腸骨の関節構造の形にしたがって、骨盤の中心にある仙骨を前方下方に移動させます。
これは、頭蓋骨の底の骨(頭蓋底)を同じ方向に傾けます。
その結果、足を上げた側の眼窩は縮小し目が小さくなります。
しかしながら、肩こり・腰痛・股関節・骨盤や顎関節問題を抱えている20代~60代の人たちについては、この考え方は全く当てはまりません。
その理由は、この様な問題を抱えている多くの方の骨盤は、仙骨は腸骨に対して後ろに移動しているため、頭蓋骨は後側(後頭骨)と前側(顔面)では互いに反対方向に捻じれてしまいます。
したがって足を上げた側の目は大きくなってしまいます。
また、足を接地してら移動するにつれて目は小さくなります。
つまり、体の前後の対照的な動きは、眼窩の縫合の動きと眼球の前後の動きに影響しその動きをバランスよく保つことになります。
このことを念頭において
ここで、スポーツの習慣的な動きにより顔が歪むメカニズムを、ゴルフのスイング例を出してお話しします。
ゴルフのスイングの始まりでボールを見て、足のスタンスを決めて、インパクトの距離感覚を測っているときは、足の内側からの筋筋膜の緊張が下肢の内転筋のルートを通り、体の深部を緊張させて、最終的に喉の奥の部分とアゴの下の筋膜を緊張させます。
そして、この状態でボールに対して体の前傾姿勢を取ると、背筋を伸長緊張させさらにこのこのモーションは、体の前面の筋膜ルートを短縮緊張せるため
最終的には、そのルートの胸骨から二つに分かれて、
そこから上の上った処の付着点になる、頭蓋骨の筋膜の連続性の関係で眼窩は全体的に縮小し目は小さくなります。
この状態から、左右の手の指でゴルフクラブを握り、クラブを拳上してゆくバックスイングから静止点までは、クラブの握っている上側の手の小指が重要です。
このルートは小指の外側を走る筋膜ルートでそれの筋筋膜体によつてスイングの軌道は安定固定されます。
少しだけ詳しくお話しすると、
このルートは、肘の外側の尺骨から二の腕(上腕三頭筋)を包み肩関節を動かす腱板筋群に繋がります。
さらに背中側で肩甲骨を上からぶら下げている首の筋筋膜や後頭部の筋筋膜と、
主に側頭骨の後ろの筋筋膜を緊張させるため眼窩大きさを更に縮小させます。
またこの状態の時は、筋筋膜は頭蓋骨縫合を全体的に締め付けるため脳内の脳圧は上昇します。
またクラブの下側を握っている手は、親指から橈骨側に行き肩甲骨の前面を経由して、胸の肋骨に行くルートが、重要なルートとしてスイングに関係しています。
このクラブのトップの静止点からダウンスイングに動きが移動するときには
今度は親指のルートが緊張して、上腕の前面の筋筋膜から肩甲骨の前面停止部(烏口突起)からバストの下に潜りその下の肋骨にその筋筋膜は付着するため胸部の緊張は高まります。
少しだけ詳しくお話しすると、このルートは元々、足の内側からのぼり、胸の胸郭の中からノドと下顎に繋がるルートと同じため、
食道や喉頭がぶら下がっている頭蓋骨(頭蓋底の下側)を緊張させる働きがあり、
顎を首に対してシッカリと引くと、やはり眼窩を縮小の方向に導きます。
また顎を首に対して上げてしまうと、後頭部の筋膜が緊張してしまうため、眼窩は拡大して目が大きく吐出してしまいます。
ここで、この筋膜の連続性とゴルフボールを見ている眼球の筋肉の筋筋膜ルートの神経反射ルートのお話をします。
ボールを見ている眼球を動かす筋肉(外眼筋)の動かす力は、
後頭部と頸椎を接続する筋肉(後頭下筋)を刺激します。
この刺激は首から下の背中の姿勢を支える深い筋筋膜から骨盤に降り
更に、膝から下の足の内側を通り、足裏から外側の踝の後ろを通り、膝の外側を上って骨盤の前面に行きます。
そこから今度は、お腹の腹筋を斜めに横切り、反対側の脇の下に入ってゆき
肩甲骨の内側面を上って、このルートの最初の始まりの反対側の首と後頭部と側頭骨に最終的に停止します。
つまり眼球を動かす筋肉(外眼筋)は、体をねじる筋肉の力に対して、後頭部の筋筋膜の緊張を通じて、体全体の捻じれ運動に深く関係していることになります。
また、面白いことに、肩関節を回旋させる腱板の筋筋膜は
この眼球を動かす外眼筋と全く同じ配列になっていることから、
専門の学問的立場から云うと、
眼球の外側直筋は肩甲骨の棘下筋に、眼球の下頭斜筋は肩甲骨の小円筋に、眼球の上直筋・内側直筋は肩甲骨の肩甲下筋にそれぞれ構造的に対応します。
また、インパクトが終わりフォロースル―の時期には、下側の手背の筋筋膜ルートの連続体が、その軌道と動きの安定性に関係し、背中から後頭部を緊張させて、最終的に眼窩を拡大して頭蓋骨縫合を拡張して脳圧を下降させます。
この種のスポーツの動きの連続的な習慣化は、眼窩の左右差の違いを広げてその状態を固定化させてしまうことになり、眼球の左右差がさらに進むため、顔前面での眼鏡が斜めに傾く原因になってしまいます。 .