12月の美容矯正メッセージ

体の動きで顔の形は変化する美容顔面力学

今年1月から始まったこのテーマでのメッセージは今回が最終回です。

 これまで、体のきと顔の変化についての関連性をお話ししてきました。

 このお話の中心的な部分は、体全身の筋膜の機能連続性によって最終的に頭蓋骨の顔面骨や表情筋筋膜が歪むということでした。

 このゆがみは顔面神経の機能とは関係なく歪むことや、ある動作を強調することで顔面までその力が伝達されその動作の代償作用でバランスを保つために顔は変形して歪むということでした。

 今までの市販されている標準的な解剖学の教科書には筋膜の連続性についての記述が殆ど紹介されてこなかったために、多くの美容や骨格矯正関連の業界では筋骨格の断片的な知識や情報を鵜呑みにしていました。

 そして多くのセラピスト達は、大なり小なりこの知識に基づいて一般の方達に健康や美容を語ってきています。

 さて、今月は、体をゴム輪コイルリング状に巻きつけている筋膜が体の動きと連動して顔の筋膜変形させることについてお話しします。

 一般的には、骨格と筋肉の構成でよって体のスタイルを説明しがちですが、

今まで説明してきているように、骨や筋肉を接続して更に脂肪や内臓また神経や血管も含めて蜘蛛の巣状に張り巡らしている筋膜網のみが個性的な体のシルエットを作りだしています。

皮膚は構造的にその上に被っているのみです(皮膚の機能は別にして)。

 また、個々の筋肉や骨は部分・部分での脂肪や体液と混合されてこの筋膜で接続され全体的に機能しています。

 発生学的には、妊娠3週間目の始めにヒト胚子は鉛筆の先端位の大きさになり原始線条と呼ばれる固い領域が出来ますがこれが後に尾部の肛門部になります。

同じころ筋膜材料である中胚葉が発達するとされています。

その後の発達の順番には説が複数あるため特定はできませんが、最終的に頭部が完成するとされています。

 ここでは、人体としての成長の過程で体の横から体を束ねるリング状に出来る筋膜のストラップの位置についてのお話をします。

 おおよそ、体には全体をバランスよくまとめるために7か所にゴム輪状のリングが出来ます。

 例えば、体の一番下には大臀筋と恥骨、尾骨や股関節を束ねるゴム輪状ストラップがあります。、

 骨盤のお尻の下に出来る窪みの筋膜肥厚部(下臀溝)には尾骨と繋がり股関節と繋がる輪状の筋膜のリングがあります。

 この、筋膜ストラップにより骨盤の過度な動き(仙腸関節)や、歩行に関係する股関節の動きを適切にするように制限しています。

 また、胸部の中央から腋窩と背中の肩甲骨まではっきりとしたゴム輪状の筋膜ストラップがあります。

 ちょうど、ブラジャー下端の所にあり肋骨の過度な外側へのズレや上肢の過度な動きを制限しています。

 さらにその上の方では鎖骨から頸部の後ろの付け根までのゴム輪状のストラップがあり、肩の動きや上肢の動きを適切に制限しています。

 そして、更にその上にはアゴ周りと眼窩周りにもあります。

 これらは全て各部分の筋膜網の肥厚によりできるもので、その部での動きを全体的伝えその下や上の動きをコントロールしています。

 この筋膜の構造に似たを挙げると、かつてよく流行したスリンキーの動きに例えることができます。

 スリンキーはスチール製でスプリング状の円柱の形をしたバネのおもちゃで、段差のある階段の下に傾けると連続的にスプリングが移動し、コイル状の各スプリングはそれに続いて引っ張られて、しゃくとり虫のように動きます。

 人間の各部のゴム輪状の筋膜もこの様に反応して周りの組織の形や機能に互いに引き合うことで関係しています。

 例えば、骨盤周りと臍の上に出来るゴム輪状の筋膜ストラップは、骨盤と腹部や腰椎の円滑な機能に関係していますが、

このレベルでの動きの制限固定化は異常にこのゴム輪状のストラップを緊張させ、その間に出来る下腹の膨らみの原因となります。

 この下腹部の膨らみや深い筋膜ラインは、

一般的な痩身法の運動や減量によるダイエット法ではく改善できません。

 また、事務作業での長時間の座位によるパソコンン操作の姿勢時に起こる頭部の前傾姿勢は、さらにこの腹部の膨らみを助長するだけではなく、胸部頸部に出来ている、ゴム輪状のストラップを過度に緊張させると同時にその部位の固定化をもたらし、背中猫背姿勢で肩が前に移動し、更に胸郭鎖骨の間では胸郭が鎖骨の奥に食い込むことで、その上の胸郭と肩の高さの違いや鎖骨の高さの違いを長期的に固定してしまうことになります。

 

 この緊張と固定状態は、アゴのレベルでのゴム輪状の筋膜ストラップを緊張させ喉周りの膨らみや二重あごの原因となります。

 最終的に、この上にある眼窩周りにあるゴム輪状のストラップが緊張して固定化してしまいます。

 この顎下の筋膜ストラップの肥厚は、顎周りの途中にある顎関節の動きの制限の原因になってしまいます。

そして、この顎周りの緊張はアゴの位置の異常の原因となってしまいます。

 このことは、顔面筋の筋膜を偏った方向に牽引することになるだけでなく

顔面の表情筋膨らみやしわの形成や浮腫みを長期的に固定する原因にもなります。

 スチールのリング状のリンスキーは段差のあるところでは単体で次のリングを引っ張り動きつづけますが、人間の場合は左右の歩行動作上肢の対象的な動きでバランスを取りながら動きます。

 もし両手でのスイングと両足での歩行の幅が一致して動かなければ、所々の引き合う力が変化してしまいます。

 つまり左右の足と手による体のリンスキー様の動きは体の所々で凸凹に重なってしまうこ部分を作ることになります。

 この引き合う力のアンバランスの長期化が続くと体の歪みが慢性化してしまいボディーの左右前後の傾きやシルエットの変形を招きます。

 筋膜のこの歩行動作でのリンスキー様の動きは単に一か所の膨らみや歪みにとどまることはありません。

 筋膜は全ての部分で連続的に接続されているため

 下腹の膨らみは猫背二重あごシワ顔の浮腫みシワへと随時、時間を経過するとともに移行し、またその逆にも移行し骨盤部の歪みに発展し、さらにその状態を持続強調して拡大してしまいます。

 このリング状の筋膜層が緊張している、高齢の女性の多くの猫背姿勢のを見ると下腹は膨れ上がっており、バストは下垂してしまいます。のレベルでは輪状の筋膜ストラップによるシワが多数層あり、眼窩ストラップと下顎ストラップの間の頬筋部で縦状にシワが出来ており、更に眼窩ストラップレベルでは眼輪筋にシワを伴うみが出来て、目じりの部分には複数の小シワが出来ています。

また、この考えから云うと、過度な緊張のある胸部のブラジャーの使用は腹部上部の盛り上がり(胃の周りポッコリのふくらみ)や喉周りの浮腫みや二重あごの原因になります。

 更に、過度の腹筋の運動は鼠径部の緊張と臍のレベルでの筋膜をくするため下腹部の膨らみを強調してしまうことになります。

 体の筋膜の連続性での観点から考えると上から下、又は下から上へのケアーに加え横のリング状筋膜からのケアーが不足しており、最も必要なケアーかも知れません。

 発生学的には、ひとの姿勢の原型や歩行動作のひねりの姿勢胎児のころに子宮内で構成されており、この子宮内での手を組む姿勢と足を組む姿勢成人構造まで続いているといわれています。

 さらに筋膜は、免疫機能に大きく関与しており、細網細胞やリンパ球の働きと密接に関与しています。

 また、筋膜は情動深く関係しており、喜怒哀楽の感情や活力はこの蜘蛛の巣状の筋膜網を通じて伝わり全身で感じていると云われています。

 美容と健康の両面だけではなく、筋膜ルートと顔のゆがみや体の動きこころの問題にも深く関係していることになっているのかもしれません。

 

終わり

 

来年はまた違うテーマを予定しています。

 

 

 

 

 

 

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